自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

BMW318is+シバタイヤで筑波サーキットを走る

3月3日にBMW318isで、筑波サーキットに行ってきた。装着したのはシバタイヤのTW(トレッドウェア)180。サイズは235/40R17だ。前回の筑波での走行時はエア圧1.7からはじめて、温間2.0あたりで走行してみたのだが、コーナーでは腰砕け感があっていまいち。ブ…

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クルマのLSDの種類【2】ビスカス式LSDは回転差によって差動制限する。

以前単行本の編集者と打ち合わせをしたときに、「駆動系の話で一冊作りませんか?」と提案したことがある。ところが担当氏はあまり浮かない表情を見せた。「エンジンの本は比較的売れるんですけど、駆動系は今まで売れた例がないんですよ」という。個人的に…

クルマのLSDの種類【1】2ウェイ、1.5ウェイ、1ウェイの違いと個人的失敗談

クラッチプレートの摩擦を、プレッシャーリングが受けたトルクで発生するのが多板(クラッチ)式LSDだが、プレッシャーリングの仕様によって効かせかたが違ってくる。2ウェイ、1.5ウェイ、1ウェイと呼ばれたりするが、要はアクセルオン/オフで、どう差動制限…

クルマのLSDに関する誤った情報とホントのところ

このところ、クルマ関係のウェブサイトが多くなった。なり過ぎたと言ってもいいだろう。ただ個々の記事を見ている誤った情報も多い。もともと紙媒体を持っている出版社が、その電子版として運営しているサイトでも、かなりの割合で間違えた情報が掲載されて…

BMW X2は若返りを目指す

かつてほどではないにしろ、日本人にとって外国車、とくに欧州車というのは功成り名を遂げたある程度の年配の人物が乗る…というようなイメージがつきまとう。BMWはモータースポーツでの活躍など、必ずしもラグジュアリー路線ではないのだが、「欧州の高級車…

走り屋仕様のミニ?

MINIのラインアップで最も過激なグレードの「ジョン・クーパー・ワークス」がマイナーチェンジを受けた。MINIのロゴが新デザインとなり、LEDデイライト下端がつながる楕円状になるなど、エクステリアも小変更されているが、最大の変更点はトランスミッション…

わかりやすいかな?「きちんと知りたい!自動車サスペンションの基礎知識(日刊工業新聞社)」発売です。

「きちんと知りたい!自動車サスペンションの基礎知識」が日刊工業新聞社より4月28日に発売となりました。良くも悪くもアマゾンでの売れ行きが指標となるわけですが、今回は予約の段階からわりといい動きを見せていて、「私の本も結構売れるようになったな………

RJCの理事会に出席しました。

本日は、私が所属するRJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)の月に一度の理事会の日でした。年末のRJCカーオブザイヤーを選ぶまでにいろいろやることがあるのですが、それまでに内部の体制などをきちんとしなければならないこともあり、議論は多岐にわ…

BMW5シリーズ ツーリングの試乗に行ってきました。

6月28日に、BMW グループ東京ベイで、5シリーズツーリングなどの試乗をしてきました。普段、そんなに多くの荷物を積んでドライブするという機会がないために、ワゴンに興味が少ない方だと思うのですが、これはこれでなかなかスタイリッシュなクルマです。使…

LEXUS、新型LS日本披露会に行ってきました。

レクサスの新型LSの日本披露会に行ってきました。発売は今秋で、今回は発表会ではありません。何がトピックか? というと「予防安全技術」です。これらの技術一式をパッケージングして「レクサス セーフティ システム+A」としたことが披露会のメインのプレゼ…

NISSAN GT-R 2017モデル試乗

昨年の11月のことになるが、ノートe-POWERの試乗会があった当日、その足で横浜の日産本社で「NISSAN GT-R 2017モデル」を借り出した。もっとも私名義で借りたのではなく、大先輩である正岡貞雄(ベストカー初代総編集長)さんが借りるのをこれ幸いと、相乗り…

「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識」発売です。

10月21日(金)に、ちょうと一年ぶりで日刊工業新聞の「きちんと知りたい!シリーズ」の私にとっての第二弾「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識」を出すことができました。このシリーズは、2013年に橋田卓也さんが「きちんと知りたい…

ホンダの「SPORT HYBRID SH-AWD」。プレリュードからレジェンド、そしてNSXの系譜

RJCブリテン(年次報告書)にホンダレジェンドの3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」についての解説を書いた。 http://www.npo-rjc.jp/bulletin/RJC_bulletin_25.pdf 今年から新入会員にはカーオブザイヤーの投票権がないとかで、私はおお…

自著によせて。サンバー本「スバルサンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀(三樹書房)」

4月に三樹書房から発売されたスバル・サンバーの本、「スバルサンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」が好調な販売を続けています。アマゾンでは5月に車・バイクで1位になったことを含め、今でもそれなりに動きがあるようです。もっとも、今月に…

『オートテクニック』から『スピードマインド』へ。

私は山海堂という出版社が出版していた『オートテクニック』の読者だった。12歳でレーシングカートのライセンスを取り、レーサー(当時はレーシングドライバーよりもレーサーという呼称が一般的だった)になる気十分の少年にとって、F1はもちろん国内のF2、…

『モータリゼーションと自動車雑誌の研究』番外編(3)/オートテクニックを中心に

『オーテク』の創刊号はいろいろ読みどころがあります。当然、雑誌の性格上、記事はモータースポーツ関連がほとんどなのですが、その中で異色ともいえるのが工学博士である平尾収氏の「自動車の現在と未来」です。 (平尾氏については「日本自動車殿堂のHPに…

『モータリゼーションと自動車雑誌の研究』番外編(2)/オートテクニックを中心に

オートテクニック(以下:オーテク)の創刊は1969年。10月10日の日本グランプリを直前に控えての創刊です。いきなり話が横道にそれますが、私はこの年の日本グランプリを観戦しています。まだ物心がつくかつかないかの3歳でした。それでもツーリングカーレー…

『モータリゼーションと自動車雑誌の研究』番外編(1)/オートテクニックを中心に

日本のモータースポーツ専門誌のはじまりは、三栄書房の『モーターファン』の臨時増刊から派生した『オートスポーツ』ですが、創刊責任者となった星島浩さんは周囲から「やるならお前が責任者だという感じ(本人談)」だったそうで、あまり良い言い方ではあ…

『モータリゼーションと自動車雑誌の研究』本日発売です。

『モータリゼーションと自動車雑誌の研究』がグランプリ出版より発売になりました。戦前から現在まで、モータリゼーションの興隆とともにどのような自動車雑誌が創刊されたか、また、それらが時代の変わり目にどのように対処していったかを解説したものです…

BMW M3 車検通りました!

仮ナンバーを借りるために入った自賠責保険は25か月分。1か月以内に車検を取らないと、ちょっと面倒なことになるので、バタバタとユーザー車検の準備をしました。一番心配だったのは、排気ガス検査。「前に車検に出したときは裏技を使って通してもらった」な…

BMW M3、仮ナンバーを取得して走らせてみました。

M3の続きです。Y君によると、「エンジンは定期的にかけていたし、特に悪いところはないです」ということ。ボンネットの中にはS14ユニットが収まっています。2.3リッターで195PSというのは、現代の国産エンジンから見るともの足りない感じですが、見た目はな…

BMW M3を買いました。

ここしばらくクルマを手放していて、いい加減に何か面白いクルマが欲しいと思っていたところでした。かといって、正直言って新車にはあまり興味がわかないのと、現実問題として、金銭的に負担が大きくて厳しい。スポーティなクルマが欲しいとなると必然的? …

『飛行器ト自動車』。100年前の自動車雑誌

1911(明治44)年に発行された『飛行器ト自動車』です。日本最古の自動車雑誌と推定されています。写真のバックナンバーは東大の中にある「明治新聞雑誌文庫」にありました。宮武外骨のコレクションです。当時は、クルマがまだ200台から300台しかない時代。…

『町工場からの宣戦布告』 中小企業とメガバンクの死力を尽くした戦

北沢栄氏の新著『町工場からの宣戦布告』が発行された。近年、北沢氏はジャーナリストとして公益法人、独立行政法人などの行政問題についての著作を中心に発表していたが、久しぶりの小説となった。舞台は 東大阪市にある電気部品メーカー「ダイア産業」。ポ…

戦前の自動車雑誌 その肆

執筆中の単行本のネタから……。 戦前の自動車雑誌の創刊当時の背景を俯瞰すると、1914年には快進自動車工業が日本初の国産自動車「脱兎号」を東京・上野で開催された東京大正博覧会に出品している。1915年には貿易商社のヤナセ商会がキャデラック、ビュイック…

戦前の自動車雑誌 その参

執筆中の単行本のネタから……。 戦前の自動車雑誌の創刊当時の背景を俯瞰すると、1914年には快進自動車工業が日本初の国産自動車「ダット号」を東京・上野で開催された東京大正博覧会に出品している。1915年には貿易商社のヤナセ商会がキャデラック、ビュイッ…

戦前の自動車雑誌 その弐

執筆中の単行本ネタから。 1918年に創刊した『スピード』は、モータージャーナリストの神田重巳氏が三栄書房の社史である『三栄書房60年の轍』での文章や八重洲出版の『ドライバー』誌のコラムで述懐している。神田氏が同誌に詳しいのは、神田氏の父君が『ス…

 戦前の自動車雑誌 その弐

1918年に創刊した『スピード』は、モータージャーナリストの神田重巳氏が三栄書房の社史である『三栄書房60年の轍』での文章や八重洲出版の『ドライバー』誌のコラムで述懐している。神田氏が同誌に詳しいのは、神田氏の父君が『スピード』の編集部に加わる…

戦前の自動車雑誌

現在執筆中の単行本のネタから少し……。齋藤俊彦氏の著作によると、日本で一番古い自動車雑誌は1912年に創刊された『飛行器ト自動車』らしい。発行元は東京自動社、後に茗渓会の発行となっている。私は、まだ実物を見たことがないが、東京大学の明治新聞雑誌…