自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

クルマ雑誌、冬の時代

 東京も桜が咲いたこの時期に「冬の時代」というタイトルもどうかと思うが、やはりクルマ雑誌は、現在冬の時代といっていいだろう。今、私のメインの仕事になっている『プレイドライブ』誌が今年度の8月号で休刊することになった。ラリー、ダートラ、ジムカーナといった、なかなか日のあたらないモータースポーツをメインに扱う雑誌の休刊は非常に残念だ。

 休廃刊は、自らが編集長をした『スピードマインド』、副編集長をした『テクノオート』、フリーランス編集者&ライターとして携わった『キャルマガジン』、あとは創刊2号で無くなった『クラクション』などという雑誌で経験している。関係のある雑誌の休廃刊は5誌目となってしまった。

 今年はアポロ出版の民事再生法申請があったり、他の自動車関係の出版社もかなり大変だといううわさも聞く。どの雑誌も売れていない。それは書店のクルマの棚のスペースの小ささ、人気の無さでも見て取れる。

 ちまたで言われるように、クルマに興味を持つ若年層の減少、クルマに限らず、インターネットで多くの情報が得られてしまう現状、それを上回る質の情報を提供できない紙媒体、購入者の収入格差の増大などなど、雑誌の不振の理由を挙げればきりがないだろう。ただし、指をくわえてみていては明日は無いと肝に銘じたい。

ブログの一回目の執筆が冬の時代から始まるのも悪くないだろう。