自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

『FMSC久留米〜吉野ヶ里マウンテンラリー’07』の件について

非常に残念なことに、このブログでもレポートを掲載する予定だった「JAF全日本ラリー第7戦『FMSC久留米〜吉野ヶ里マウンテンラリー'07』」で3人が負傷する事故がおきてしまった。

私は、最初に聞いた話が、1名が亡くなって、2名が負傷ということだったので、何人かに「1名亡くなった」と話してしまったのだが、のちに現地に行っていたオフィシャルや、他の筋に確認すると、亡くなったのではなく1名が意識不明の重態ながら、回復に向かっているということだった。まずは不幸中の幸いと思っているが、自分の早とちりは反省しなければならない。

今回考えさせられたのは、負傷した3名が報道関係者ということ。現地の状況がわからないのでうかつなことはいえないが、悪い意味で「取材擦れ」があったのかなと想像した。もちろん、これは私を含めたモータースポーツを取材する人間全員に可能性のあることで、自戒しなければいけないと思った。

ちなみに、ある筋からは、私が現地に行っていて負傷した、という話しも出ていたそうで、ちょっと伝言ゲーム状態だ。情報を提供するのは私の仕事でもあるが、その取り扱いは本当に慎重にしなければと考えさせられた。

それに関連して、私は、自分が文章を書くガイドラインとして普段考えていることがいくつかある。

・速報性を過剰に狙わない(1日も待てば誰でも事実がわかるようなことを、スクープとして扱う新聞、雑誌も多いことのアンチテーゼとして……)
・センセーショナリズムに走らない
・褒めるだけを目的とした、御用記事を書かない
・世の中に絶対ということは存在しないから、誤報は必ず発生するが、その時点で適切な対応をする
・本当の客観や中立などないという前提で記事を書く。(逆に自分の主観を交えることが要だと考えている)
・上記を踏まえて、その記事に反論がある場合は、反論の場を提供するようにする
・大きな犯罪のスケープゴートにされているような、小さな犯罪は叩かない(簡単にいうと、弱いものいじめをしないということ)

などだが、こうした点をもう一度再確認する必要もあるだろう。