『峠道などで運転技術と車の性能の限界に迫るドライバー、通称「走り屋」が、県内で減少の一途をたどっている。減少の大きな原因は、燃料であるガソリン価格の高騰という。
週末の夜、秋田市の峠道には車のエンジンとブレーキの音が響く。コーナー手前でブレーキランプを点滅させ、後輪を滑らせ一気に駆け抜けていく。
ここ10年ほど、見物に通う男性は、「以前は絶え間なく走っていたが、今はほとんど走っていない。激減したのはここ1年ほど」と話す。
週末に良く来るという走り屋の男性(29)は、「激減の要因はガソリン価格の高騰」と指摘する。この男性は、「頻繁に走らないと感覚と技量が鈍る。最悪の場合、事故につながる。ガソリン価格が下がるまで『しばらく休む』という仲間は多い」と語った。
走り屋は、峠族、環状道路を走るルーレット族、400メートルのタイムを競うゼロヨン族などに分かれる。一般公道を走行するため、警察は「違法競争型暴走族」と呼び、取り締まり対象にしている。
峠族は、走行場所に、一般車両の走行が少ない公道を選び、見通しの悪いコーナーに対向車の有無を知らせる要員を置き、安全対策の“ルール”を峠ごとに設定しているという。
県内では、秋田市のほか、鹿角市、五城目町、東成瀬村などの山間部に走り屋が集まる場所がある。車種や走行条件によって差はあるが、3時間ほど走れば燃料はほぼ底をつく。燃料にハイオクを使う人もおり、出費は大きい。
走り屋用の車部品を扱う販売店の男性店員(35)は、「2005年に走り屋の映画『頭文字D』が放映され、にわか走り屋が増えたが、危険を目の当たりにして大半は峠を去った。経済事情にも押され、新たに始める若手も少ない」と話している』(2007年9月15日 読売新聞)』
峠の走り屋が減るのは、悪いことではないが、「場所」が違うだけで、クローズドコースや占有された道路を走るモータースポーツも、ガソリンを使うのは同じこと。ハイオクガソリンを使うクルマが多いのも同じ。モータースポーツ人口が減るのもしょうがないのかな、という思いもする。