JAF九州ラリー選手権第6戦レポート

九州の参加型モータースポーツの語り部? 竜巻玉子さんから、JAF九州地区ラリー選手権第6戦のレポートが届きました。今回も大変な天候だったようです。お疲れさまでした。

●JAF九州ラリー選手権第6戦/JMRC九州チャンピオンシリーズ第6戦「R−10−N 秋のラリー’07」
●開催日:2007年9月16日(日)
●会場:宮崎県内一般公道及び林道 160Km
●レポート:竜巻玉子

大会直前に、第7戦Vラリー(大分県内)の中止が決定され、全8戦で行われる予定であった九州ラリー選手権は、残すところ、このR−10−Nのラリーを含め2戦となった。今回のラリーの舞台となったのは、6月に行われた全日本戦と同じ美郷町である。なんと今期最多で全日本の時よりも多い36台がエントリーした。

Cクラスは、現在ポイント上位3クルー(田村/桝谷組(ACK)、山田/村瀬組(RASCAL)、中原/森安組(ACK))に加え、ダートになったら出てくる徳尾/藤本組(ACK)、富安/小宮組(V)、安波/永山組(CMSC鹿児島)、さらに愛媛からは渡部/池田組(MSW/DCR)、石川からは手塚/斉藤組(NRC)、その他山口、岡山など西日本の各地から続々とエントリーがあり、なんと16台の出走である。九州の地区戦でこれほどの数のCクラスが集まる戦いは見たことがなく、パドックはさながら全日本のような感じである。九州のレギュラー組にとって、これらの参加者が脅威に思ったことは間違いない。

Bクラスはポイントリーダーの後藤/古原組(RC大分)、前回のSECTのラリーで、その後藤選手を苦しめたアスティーを駆る山岡/森組(TS大分/KOC)、舗装での速さに定評のある寺川/北川組(QUCC)など兵そろいのクラスである。前回のSECTでダートの自信を付けた後藤/古原組が何処まで走れるかが注目される。

Aクラスはポイントリーダーの黒原/三戸組(RC大分)、前回のSECTのラリーで、その黒原選手を苦しめたアルトを駆る黒木/小野組(プランタン)がエントリーしてきている。さらに今回、大ベテランの工藤/松葉(RC大分)が、珍車Keiワークスを駆ってエントリー。そしてその工藤を慕う同じチームの後輩、広瀬/秋吉組(RC大分)もエントリーしており、実力の黒原選手、ダートだったら負けないと息巻く黒木選手、大ベテランの工藤選手の3つ巴の戦いになりそうである。

昨年と同じく台風の接近で大雨の振る中、まだ日が昇らない早朝よりレキに出発した。レキより戻ってきても降り続いている雨は一向にやむ気配が無い。たまに小雨になることはあってもすぐに本降りとなる。ブリーフィングでは、「競技は開催するが、天候により競技の続行が不可能と判断した距離を短縮することがある。」との連絡が競技長よりあった。レキでの遅れを考慮し、11:01より競技はスタートした。

SS1は上りの3.07Kである。Cクラスでまずは、渡部/池田組がぶっちぎりの3分56秒のタイムを出す。2番手には、福本/八尋組で4分1秒。3番手には同じく遠征組の手塚/斉藤組で同じく4分1秒。ポイント上位の田村/桝谷組が4分2秒でかろうじて付いて行っている状態。Bクラスは雨の降り続く中、1番時計を出したのは後藤/古原組で4分28秒、次に4分34秒で山岡/森組がつける。スタート前「雨は苦手なんですよ」と話していた後藤選手であるが、SS1の1番時計に自信を付けた模様。

しかしBクラスはいきなりの波乱、七山では番長の松尾選手が、SS1ゴールでクラッシュ。ガードレールを突き破って落ちてしまった。ゴール前は緩やかなS字(L7・R7)になっていたが、雨の影響でハイドロが起き、船と化した松尾のマシンはコントロール不可能になっていた。幸い光電管にも、オフィシャルにも接触せずに済んだ。Aクラスはまずは、黒原/三戸組が4分39秒のタイムを出す。Cクラス、Bクラスが穿り返した路面はAクラスには辛いようである。次ゼッケンの黒木/小野組はこともあろうにリタイヤしてしまった。前回のSECTで散々フロントのドライブシャフトが抜け、悔しい思いをした黒木/小野組であるが今回、Cリングを新調したにもかかわらず同じトラブルが発生した。(そういえば、レキが終わって黒木選手がアンダーガードかかえてうろうろしていたっけ。)そんなわけで、黒原選手にとってはライバル不在となってしまった。

つづくSS2は比較的フラットな8.08Kである。SS1を全車順調に走り抜けたCクラスでまずは波乱が起きた。富安/小宮組がコースアウトし、同じくダートなら出てくる安波/永山組もコースアウト。さらに大神/小野組(RASCAL/FMSC)も2本バーストで戦列を離れていった。そんな中ベストを出したのは、今度は手塚/斉藤組で7分21秒、1秒差で渡部/池田組が付けた。上位2クルーは四国戦を戦う僚友であり、地元九州の人間は蚊帳の外といった感じである。Bクラスは今度は山岡/森組で8分28秒、2番手は「速さだけなら……」といわれる渡辺/藤田組のAE111で8分35秒である。比較的フラットなコースゆえ、アスティ、AE111にも分があったようである。後藤/古原組は渡辺/藤田組に遅れること1秒で3番手。

Aクラスはライバル不在となり余裕で競技を進めようとした黒原/三戸組であるがコースアウトしてしまった。自力で抜け出すことができず、黒原/三戸組はリタイヤとなった。黒木/小野組が居なくなり気合が抜けたのか、スタート時点で、今期チャンピオンが決定したことを確認したため浮き足だったのか定かではないが、Aクラスはいきなり波乱の幕開けとなった。

SS3は、SS1の順走である。Cクラスは渡部/池田組が3分59秒で取り、1秒差で手塚/斉藤組が付けるといった展開である。Bクラスはここで気を吐いたのが、後藤/古原組で4分17秒。雨が小ぶりになったとはいえ、堂々のタイムである。山岡/森組は4分21秒にあまじんだ。大物が相次いでリタイヤしたAクラスであるが、この時点の残ったのは、工藤/松葉組、広瀬/秋吉組の2台である。まずは先輩というかベテラン工藤/松葉組が4分48秒のタイムを出す。つづく広瀬/秋吉組が、先輩を驚かす4分49秒をマークした。2駆のKeiでは、4駆のアルトに比べ辛い戦いになりそうである。SS4は、SS2の順走であるが、SS2でのリタイヤ車が多かったため、コースクリアのため、全車スルーとなった。

ふるい落としさながらの展開となったラリーであるが、この時点で第1セクションを終了しサービスへと向かった。荒れた展開となっているが、生き残っている車はそんなに損傷はなくタイヤ交換などの簡単なサービスを受けてリグループに入った。ここまでの順位はCクラス:渡部/池田組−(6秒差)手塚/斉藤組−(9秒差)福本/八尋組、Bクラス:後藤/古原組−(2秒差)山岡/森組−(17秒差)渡辺/藤田組、Aクラス:工藤/松葉組−(29秒差)広瀬/秋吉組である。

リグループ後、第2セクションに向け、競技車はSSへと向かっていった。第2セクションはSS1(SS3)、SS2(SS4)の逆走である。区切って2本(SS5、SS6)、通しで1本(SS7)の計3本が用意されている。雨は一向に止む気配はなく、雷は鳴り響き、雨量も増してきたようである。時折パチンコ玉をフロントガラスにたたきつけられるような大粒の雨が、フロントガラスが割れるのではないかと思われるほどの勢いで降っている。

そんな大雨の中、SS5がスタートした。SS5は5.10Kである。比較的フラットで、130m超のストレートもある超高速コースである。この超高速コースを最速で駆け抜けたのは、Cクラスでは手塚/斉藤組で4分30秒、Bクラスでは渡辺/藤田組で4分50秒、Aクラスでは工藤/広瀬組で5分43秒であった。荒れた展開=ベテラン強しの印象だ。ここで特筆すべきことはBクラスでトップをマークした渡辺文明選手であろう。決して若くないが、そんなに年寄りでもない。もともとナビゲータで有名であったが、そのときに組んでいたドライバーは、大川和彦選手、大津康孝選手といった全日本優勝経験もあるドライバーである。全日本級の動体視力を持つ渡辺選手はその動体視力が災いし、完走率が悪く0か100かと言われていた。

SS6は3.42Kである。下りである。順走(SS1)では、轍に水が溜まり、失速し思うように前に進まなかったクルーもいたようだが、今度は根性が試される下りである。しかし根性だけで下ると結果は見えてくる。一番肝が据わっていたのは、Cクラスでは手塚/斉藤組で3分33秒、SS5に続き連続ベストである。1ステ終了時点で渡部/池田組に6秒差だったため、SS5で6秒、そして今回4秒差を付けたため、大逆転だ。

Bクラスでは3分59秒で山岡/森組。1秒差で渡辺/藤田組が付ける。雨がひどくなったためか1ステトップであがった後藤/古原組が遅れだした。SS5では、山岡/森組に9秒差を付けられており、今回も渡辺/藤田組に7秒差を付けられ、順位は渡辺/藤田組−(1秒差)山岡/森組−(7秒差)後藤/古原組と大変動してしまった。

Aクラスは、工藤/松葉組が、広瀬/秋吉組に12秒の大差を付けた。2駆とはいえ、路面クリアランスに余裕のあるKeiの方が、荒れた路面には有効だったのかもしれない。

競技の方は、残りのSS7を残すのみとなった。天候は相変わらずだが、ルート上問題ないとの判断で続行が決定された。最終のSS7は8.91Kである。Cクラスは、手塚/斉藤組に4秒差を付けられた渡部/池田組がどのようにしかけるか?。Bクラスは、1秒差でTOPに立った渡辺/藤田組に山岡/森組がどのようにしかけるかが見ものである。Aクラスはベテラン工藤/松葉組が広瀬/秋吉組に大差を付けており、余程のことが無い限り大丈夫だろうと思われた。時刻は夕刻になりガスに加え山間はあたりも暗くなってきた。ミスファイヤリングシステムの「パコーン!」という音が山にコダマし、最終SSがスタートした。

うす暗くなった美郷の山間を最速で走り締めくくったのは、やはりこのひと渡部/池田組であった。大逆転の優勝である。手塚/斉藤組は遅れた。そして3位には地元地区の意地を見せた福本/八尋組が入った。全日本では石田正史選手のサービスをしている渡部選手であるが、全日本級の腕は健在のようだった。Bクラスは、優勝に燃える渡辺/藤田組だったが、このロングのSSで車が悲鳴を上げた。オーバーヒートを起こしなんとか走りきったという感じで、トップ山岡/森組に25秒遅れ、後藤/古原組にも抜かれてしまい3位に転落してしまった。Aクラスはそのまま工藤/松葉組が問題なく走りきり
そのまま優勝してしまった。Bクラス優勝の山岡/森組のコメントに表彰式会場が大いに沸いた。「我々じじいにとっては最高の敬老の日のプレゼントになりました……」

−−− 上位入賞者(A) −−−
1位:工藤裕至/松葉譲介(RC大分)39分21秒4
2位:広瀬晃/秋吉徹明(RC大分)40分35秒2

−−− 上位入賞者(B) −−−
1位:山岡信雄/森正信(TS大分/KOC)35分31秒8
2位:後藤照尚/古原寛之(RC大分)35分52秒6
3位:渡辺文明/藤田涼介(SECT)35分56秒6

−−− 上位入賞者(C) −−−
1位:渡部洋三/池田茂(MSW/DCR)31分39秒7
2位:手塚清明/斉藤哲史(NRC)31分52秒5
3位:福本浩人/八尋俊一(ACTY)32分17秒2