『ナショナル・セキュリティ』感想

連詩集『ナショナル・セキュリティ/北沢栄・紫圭子(思潮社)』を著者の一人である北沢栄さんからいただいた、と以前に書いた。そのときはちょうど自分の単行本にかかりっきりの時期。とりあえず冒頭の部分を読んで、そのまま頁を閉じてしまった。

ただ、その本を気にしていたらしい妻に「北沢さんの新しい本だよ」といって手渡すと、「えーっ詩!」とちょっと驚いたようだったが、もともと読書好きの彼女は黙々と読んでいた。

感想は「これ読みやすいね。なんか普段、あなたが言っていることみたいだし」と言う。「えっ、そんなことはないだろう」とは思ったが、その後落ち着いてから、改めて『ナショナル・セキュリティ』を読む。確かに部分部分に普段の私の考えと似ている面があるのだが、それは私が、それだけ北沢さんに影響を受けているからに過ぎない。私の言葉はずいぶん北沢さんから借りてきているな、というのが率直な感想だった。

北沢氏と知り合ったのは、8年前、私が編集長をしていた雑誌が廃刊し、無職の時代だ。私は、JAF(日本自動車連盟)のモータースポーツへの関わり方を疑問視し、ネット上で情報を探しているうちに「NAGURICOM」http://www.the-naguri.com/という北沢さんの評論が載っているホームページを見つけた。評論を読み、「この人なら、話が通じそうだな」という直感から、そのホームページを通じてメールを送信し、「では、お会いしましょう」という返信をいただいた。

ネットでこういうつながりができることを知った一番最初の経験だった。それがきっかけとなり、私がその後、私が関わった自動車誌に『最新世界自動車事情』という連載記事を書いていただいた。

今まで北沢氏の著作は、『ダンテスからの伝言』『公益法人/隠された官の聖域』『官僚社会主義/日本を食い物にする自己増殖システム』『静かな暴走/独立行政法人』と読んできている。北沢さんの雑誌記事なども、マニア(笑)というくらい見つけて読んでいるので、影響されていてもしかたがない。

今回は紫圭子氏と北沢さんのダイアログ形式で進むこの作品も、詩とはいっても、(特に北沢さんの部分は)これまでの著作の流れを受けていると感じた。

目次は、
・National Security I〜VI
エシュロン
・悪魔と天使
・浦島、または・・・・
からなっている。
詩を解説するというのは野暮な感じがするが、あえて、一言ずつ感想を書くと、

・National Security I〜VI
いつの時代、どんな政治体制でも人間が国家に縛られていることと、そこからの開放への思索。

エシュロン
エシュロンとは「世界中を張り巡らせているスパイ・ネットワーク」。もう細かいあらすじは忘れてしまったが、高校生の時に読んだジョージ・オーウェルの『1984』を連想させる。

・悪魔と天使
善と悪との二元論では読み明かすことができない世の中。悪魔がいることによって天使も存在するパラドクス。

・浦島、または・・・・・
これは、ちょっと難しい。直感的には、分別(ふんべつ)の無意味さとか、一瞬の永遠性か? 読み間違いかもしれないが。

というわけで、おすすめの一冊です。
発売元/思潮社(TEL 03-3267-8253、eメール sichosha@sight.ne.jp)まで。

「『グラマラス』の乳がん撲滅チャリティ・ヌードに抗議する会」で署名運動を行っています。7月末日必着です!!(残り6日まだまだ間に合います!!)

http://pink-accountability.asablo.jp/blog/

http://blogs.yahoo.co.jp/pinkribbon_2008

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