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厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会傍聴記(その5)

第4回労働厚生省独立行政法人公益法人等整理合理化委員会は11月1日(月)に開催された。

この日、俎上にのせられたのは、国立健康・栄養研究所、労働安全衛生総合研究所、労働政策研究・研修機構の3つの独立行政法人だ。

まず、国立健康・栄養研究所からヒアリングが開始された。この独法は、大きく言って「国民の健康づくり」に関与している法人だ。近年は、あやしげな健康食品も出回っている。その中で、科学的根拠に基づいた知見を形成することを目的にしている面は重要だろう

当日配布されたレジュメには、研究所の業務として、運動や日常の活動による生活習慣病予防・効果の研究、遺伝や食事が生活習慣病に及ぼす影響の研究、栄養成分の健康への影響の評価、その評価の手法の開発や改良などが上がっている。

健康食品に関する業務は、「健康食品」成分の安全性等に関する研究、「健康食品」に関する安全性情報などの収集と発信だ。

委員からは、国民生活センターとの連携についての質問が出た。こちらも食品に関する国民からの苦情などを扱う組織だ。国立健康・栄養研究所によると、「情報の共有、協力は行っている」という回答だった。定期的に行ってるのは年一度ということだった。

また、研究所は大学との連携も行っている。平成21年には研究所から21名の研究者を派遣した。具体的には非常勤講師やセミナーの講師としてだ。基本的には短期で、講師はワンタームや年単位になるという。逆に6校との協定を結び、大学からの受け入れも行っているという。ただ、この部分は委員から「大学との連携の明細を知りたい」という要求をされた。

国立健康・栄養研究の具体的な成果については、すぐには出ていないが、「糖尿病の新しい薬の光が出てきている」という発言が研究所側からあった。

国立健康・栄養研究所がその成果として特に主張していたのがホームページに305万件のアクセスがあるということ。その中でも「フォーラム」と呼ばれる専門家向けのデータベースには、アクセス数の分析によると、250万件のアクセスがあるという。

それに関わる部分で、データ入力作業を民間委託していて、平成21年には63万円を計上している。もうひとつ、機構の業務としてNR(栄養情報担当者)制度のかかわりがある。

NR制度とは、「健康食品」に関する正確な情報・知識を有し、消費者に対して適切な情報を提供できる人材の育成を目的に、平成14年12月に発足した。現在、同研究所が認定している。これにかかる監督業務として360万円が計上されている。委託先は競争入札で「基本的には毎年変わっている」という説明が機構側からあった。

研究所の本業といえる調査に関しては外部委託をせずに交付金でやっている。また食品の評価試験は、研究所によると「半官半民で」ということだった。ちなみに1件の食品分析料は、ものによってまちまちだが、おおよそ17万円ということだった。

研究論文の作成も主要業務だが、この論文は『ネイチャー』誌や『サイエンス』誌にも掲載さているという。ただ、「交付金で行われてる研究が、そうした商業誌でしか読めないというのはどうなのか?」という委員からの意見も出ていた。(続く)

●「第4回厚生労働省独立行政法人公益法人等整理合理化委員会」参加委員

岩瀬達哉 ジャーナリスト

北沢栄 ジャーナリスト

長谷川 裕子 日本労働組合総連合会参与

結城 康博 淑徳大学総合福祉学部准教授

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