『モータリゼーションと自動車雑誌の研究』がグランプリ出版より発売になりました。戦前から現在まで、モータリゼーションの興隆とともにどのような自動車雑誌が創刊されたか、また、それらが時代の変わり目にどのように対処していったかを解説したものです。多くの方々の協力をいただきながら、なんとかまとめることができました。
取材、執筆を進めながら思ったことは、時代の節目ごとに時宜に合った雑誌が創刊されていることと、時代に合わなくなった雑誌が勢いを失い、あるいは姿を消していくことでした。当たり前と言えば当たり前ですが、私自身、本書を書かなければ、「いろいろな自動車雑誌が創刊されたな」で済ませてしまったかもしれません。
自動車産業という日本の基幹産業の動向はもちろん、モータリゼーションを推し進めた行政との関わり、その後におこる公害問題、オイルショック。日本車がアメリカを中心に海外に受け入れられる土壌を作った排気ガス規制、スーパーカーブーム、バブル経済前期からバブル最盛期、バブルがはじけた後のRVやエコカーが中心となる時代まで、自動車雑誌がよく世相を反映していることに改めて気づかされました。
読みどころを特にあげれば、60年代、70年代の主要誌の創刊編集長へのインタビューになるでしょうか? 大先輩への取材は少なからず緊張をともなうものでしたが、皆さん、快く応じてくださいました。各誌とも創刊の背景はそれぞれでも、同じなのは編集長の情熱。それが読者に上手く伝われば著者としては嬉しく思います。
序文は『CARグラフィック』創刊メンバーの高島鎮雄さんに執筆していただきました。
機会があれば是非お手にとってみてください。自信をもってお勧めできる内容となっています。
本書で触れている主な雑誌
★戦前
・『飛行器ト自動車』
・『自動車』
・『モーター』
・『スピード』
・『モーターファン』
★戦後
・『スピードライフ』
・『自動車工学』
・『モーターマガジン』
・『月刊自家用車』
・『カーグラフィック』
・『ドライバー』
・『AUTO SPORT』
・『CARトップ』
・『ドライブ旅行(プレイドライブ)』
・『オートテクニック』
・『ホリデーオート』
・『オートメカニック』
・『ル・ボラン』
・『ベストカー・ガイド』
・『スクランブル・カー・マガジン』
・『NAVI』
・『ニューモデルマガジンX』
・『スピードマインド』
・『ノスタルジックヒーロー』
・『ティーポ』
・『オールド・タイマー』