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『モータリゼーションと自動車雑誌の研究』番外編(2)/オートテクニックを中心に

 

 オートテクニック(以下:オーテク)の創刊は1969年。10月10日の日本グランプリを直前に控えての創刊です。いきなり話が横道にそれますが、私はこの年の日本グランプリを観戦しています。まだ物心がつくかつかないかの3歳でした。それでもツーリングカーレースでスカイラインGT-Rが走っていたのや、プロトタイプカーが爆音を響かせながらストレートを走り抜けていたのを鮮明に覚えていますから、相当印象的だったのだと思います。

 オーテクも当然のようにトヨタ、日産ワークスがいわゆる“ビッグマシン”で最後に直接対決した日本グランプリにページを割いています。巻頭カラー見開き「本格化する両雄のトレーニング」でトヨタ7とニッサンR382を紹介。ここでは富士スピードウェイ6kmのフルコースを120周(720km)で行なわれる同レースに向けてのテストの様子をさらっと紹介しています。「推定平均時速200キロ近辺で走り通すことになろう」という記載もあり、当時の安全装備、管理で走り抜かなければならなかったドライバーは、やはり命懸けだったことが想像されます。

 続くモノクロページでは、「V8とV12ではどちらが有利か?」と題する記事を日下豊太郎氏が寄稿しています。これもV8エンジンと積むトヨタ7とV12エンジンを積むニッサンR382をテーマとした記事といっていいでしょう。本文中に計算式などがふんだんに出てきますが、こうした記事は現在のモータースポーツ誌では全くといっていいほど見られなくなってしまいました。あまり複雑な式があると、(少なくとも私には)意味がわからなくなってしまうものですが、適度にあるのはマニア心をくすぐると思います。でも、現在はどうしても敬遠されてしまうのかもしれません。

 結論としては「直線コースとバンクではR382がその高速性のよさを発揮するだろう」「2km地点以降のS字やヘアピン、4km地点以降の立ち上がりでは軽快なトヨタ7が本領を発揮するだろう」となっています。この辺はもしかしたら両メーカーを慮ってのことなのかもしれません。