フリーライター飯嶋洋治のブログ

結局、クルマが中心です。

BMW X2は若返りを目指す

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 かつてほどではないにしろ、日本人にとって外国車、とくに欧州車というのは功成り名を遂げたある程度の年配の人物が乗る…というようなイメージがつきまとう。BMWモータースポーツでの活躍など、必ずしもラグジュアリー路線ではないのだが、「欧州の高級車」としてブランド自体が高齢向けとなっていることは否めないだろう。

 BMW X2は、そうした中で、かなり「若さ」を前面に押し出したモデルと言える。ターゲーットユーザーは、いわゆる「ミレニアル世代(80年代から90年代に生まれた人)」と言う。タレントの香取慎吾氏をイメージキャラクターに起用し、コンセプトは「UNFOLLOW」を打ち上げた。ニュアンス的には、誰かについていくのではなく、自分の道は自分で切り開くといった感じだろうか。

 スタイルはいわゆるSUVだが、BMWではこれをSAC(スポーツ・アクティビディ・クーペ)と呼んでいる。車高が1535mmでプラットフォームを同一とするX1の1600mmよりも低い。立体駐車場だと車高制限1550mmという場合が多いから、そういう面でも使いやすいし、重心が低くなるということは、走りにもいい影響がある。

 エクステリアもいくつかの新しい点がある。シンボルとも言えるキドニーグリルは、他モデルと違い下部を広げた形とした。ルーフラインはわりとフラットな感じ。これをBMWでは、「Xモデルらしい強固な印象を残すやや無骨な形として躍動感を表現した」と言う。Cピラーにはホフマイスター・キンクが組み込まれ、1970年代の3.0CSLを彷彿とさせるようにBMWロゴマークがあしらわれた。

 ドライバーズシートに座ると、シートのランバーサポートが張り出す感じで、走りに振った印象を持たせる。アイポイントもSUVとしては低目で、クルマの大きさも感じさせない。実際サイズ的にも全幅は1825mmと幅広感はあるが、全長が4375mm、最小回転半径は5.1mと取り回しは良い部類だ。

 アクセルを踏み込んで走りだすと、走りはBMWらしさが溢れる。スプリングとショックアブソーバーを固めたMスポーツサスペンションを採用していることもあり、乗り心地は硬め。個人的にはもう少し硬くてもいいかな?と思うくらいだが、飛ばすだけでなく2人以上乗車したときの後席の不平のことも考えるとバランスが取れているように思う。

 BMWではおなじみの“ドライビング・パフォーマンス・コントロール・スイッチ”はコンフォートを基準にスポーツとエコプロの3段階に切り替えが可能だ。スポーツモードに切り替え加速をすると、2リッター4気筒ツインパワーターボエンジンは、8速ATに高回転まで引っ張られてシフトアップしていくし、ブレーキングすれば踏力と速度に応じてシフトダウンする。そういう意味で、ほとんどパドルシフトの必要性を感じない。ブレーキ自体も踏み始めから徐々に効くいい感じのもの。車速感応式パワーステアリングもスピードが上がると確実に手応えも増すので安心感が高い。

 コーナリングでは、ドライバーの思ったとおりに軌跡を描くが、さすがにタイトなコーナーの切り返しでは重さを感じる。この辺はSUVとしては低いとしても、絶対的な重心の高さと4WDシステムの重さから来ていると思われる。「どっこらせ、よっこいしょ」と心の中で思ってしまうのは、このクルマを狙った世代のかなり上の私でも、ちょっとスポーティとは違うかな?と思ってしまう。xDriveは、限界域でのアンダーステアオーバーステアを駆動力配分でコントロールできる賢い4WDだが、そこまでの走りを求める人も少ないだろう。そういう意味では1.8リッターエンジンのFF仕様のsDrive1.8iも是非試してみたいところだ。

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全長は4375mm。最小回転半径5.1mなら、都内の路地でも苦労することはないだろう。

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SUVと考えると、リヤハッチはちょっと狭く感じるが「クーペ」と考えれば納得?

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20インチの40タイヤは、もっと硬い乗り心地かと思いきや、けっこうイケル感じ。X3を期待すると裏切られる。

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2.0L4気筒ツインパワーターボエンジンはパワフルで、8速ATとのマッチングも良い。

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コクピットBMWらしさがあふれるところ。シートのステッチにイエローなどを用いているが華美に流れていない。

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