自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

自動車の基礎知識(38)ハイブリッド車(HV、PHV)の特徴

出典:「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」

エンジンとモーターを組み合わせた動力をもつクルマをハイブリッド車(HV)と呼んでいます。ふたつの動力を使い分けるということではこの組み合わせに限らないのですが、現状はこの形がメインになっています。

エンジンとモーターをどのように組み合わせるかでいくつかの種類に分けられます。ひとつはシリーズ方式と呼ばれるものです。

これはエンジンで発電機を駆動して、その電力でモーターを動かします。この場合エンジンは発電しか受け持っていません。メリットはエンジンの効率の良いところを使用して発電できるために、燃費も良くなり航続距離も長くなります。

ふたつ目がパラレル方式と呼ばれるものです。これはエンジンをモーターががサポートする方式です。エンジンは走行用として使われますが、大きな負荷がかかる「発進」「加速」「登坂」時などにモーターがサポートする形です。

モーターはゼロ回転から最大トルクを発生することができます。エンジンは低回転ではトルクが小さくなります。そこでモーターとエンジンの組み合わせはトルク特性としては補完仕合うので合理的です。また、モーターはジェネレーターでもあるので、減速時には回生ブレーキを利用して運動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電、充電を行います。

3つ目がシリーズパラレル方式と呼ばれるもので、状況に応じてモーターだけの走行、エンジンだけの走行ができますし、パワーが必要なときにはモーターとエンジンの両方が作動します。

シリーズパラレル方式にはプラグインハイブリッドという装備が備えられる場合もあります。電源プラグを使って外部電源で充電し、一定距離はEV(電気自動車)として走れます。充電が必要な状況になるとエンジンが始動し、その後はシリーズパラレル方式となります。