ディーゼルエンジンは燃費が良く、耐久性が高いというメリットがある反面、騒音や排ガスの問題などがあります。
現代では、コンピューター制御が進化し、インジェクターの制御にコモンレール方式を採用することなどにより、そうしたデメリットを克服しつつあります。
コモンレール方式とは、燃料ポンプからインジェクターまでの間にコモンレールという高圧となった軽油を一時蓄えておく部品を用いる方式です。
インジェクターによる燃料噴射は電子制御で、コンピューターが適切な燃料の噴射時期、量などを判断し、コモンレールにストックされた燃料を用い、きめ細やかに燃料噴射します。
これで燃焼状態を理想的なものに近づけ有害な排ガスを低減し、燃費の向上にもつながりました。
それでも厳しくなる排ガス規制に対しては他の技術も盛り込んだ対策を図っています。
DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)は、黒鉛やススとなるPMを吸着させるフィルターで吸着処理して排ガスを浄化します。
NOxに関しては、NOx吸蔵還元触媒を用いて対処するとともに、尿素SCRというNOxと尿素を反応させて還元する触媒を使って排ガスの浄化をしています。
このほか、軽量、コンパクト化を図りながら、ピエゾ式インジェクターにより燃料の噴射パターンを多彩化したり、さらに噴射量とタイミングの精密化を図るなどし、ガソリン車に近い静粛性となり、ターボと組み合わせることにより活発に回るエンジンも登場するようになりました。