排ガスによる大気汚染を防ぐための対策は現代のエンジンには書かせません。
エンジンの排ガスにはCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)が含まれます。COとHCに関しては、完全燃焼させれば二酸化炭素(CO2)と水(H2O)という人体には無害なものとなります(完全にはなかなかなりませんが…)。
逆にNOxは完全燃焼(高温)になればなるほど発生しやすくなります。つまり二律背反になってしまうわけです。
そこで、三元触媒が開発、採用されました。これは燃焼時に発生したNOxに含まれる酸素をCOとHCに与え(酸化)、NOxは酸素を奪われる(還元)ことでN2(窒素)となり人体にとって無害化するという機構です。
ただ、三元触媒を有効に機能させるためには理論空燃比(酸素:燃料=14.7:1、完全燃焼できる割合)を保つことが重要です。これには電子制御技術が大きく絡んできます。このへんは改めて解説したいと思います。
さらにNOxを低減させるために、EGR(排ガス再循環)も用います。これは排ガスを再び吸気側に戻すことにより、燃焼温度を低下させて排ガスを浄化します。
かつてのEGRは単に排ガス規制をクリアするためだけのものでしたが、現代はこれを吸気損失や冷却損失の低減に使用し、燃費向上の手段としても活用しています。このへんも機会があれば詳しく説明したいと思います。