自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

ちょっとだけ乗ったクルマ(4)トヨタ・クラウン

所有したとまでは言えないが、1週間から1カ月くらい家にあったクルマが何台かある。その中で印象に残っているものを挙げていこう…という趣旨の記事の4回目トヨタ・クラウン。学生時代の夏休み、岩手県まで友人とドライブに行くため近所のおじさんから1週間ほど借りたという、まさにちょっと乗っただけのクルマだ。

 

まあ、当時持っていたセリカLBでも良かったのだが、5人乗ることと、当時からすでに旧車だったセリカが途中でトラブったら、友人たちから後々まで文句を言われそうなのを避けるための手段だった。クラウンの持ち主とも普段からクルマの話で盛り上がる関係だったので、快く貸してくれた感じだった。

かなりデラックスなインパネで、セレブな感じのドライブでした。

搭載エンジンは2.8L直6DOHCの5M-GEU型。あのトヨタ2000GT以来の直6ツインカムだ。さすがに他人のクルマであまり飛ばす気はしなかったが、セリカに比べれば雲泥の差の楽ちんドライブ。室内もひろびろしていて、クルマに関しては友人たちから好評。当時はまだ下道を通って浦和から東北道に乗る時代。目的地である一関ICまでの約500kmはそんなに距離は感じなかった。

 

母が岩手出身ということもあり、宿泊は親戚関係の家に泊めてもらうので無料(気は使うけど…)。奥州藤原氏の元で繁栄し、源義経の伝説で知られる平泉、柳田國男民俗学遠野物語」で知られる遠野などを巡るアカデミック?な旅となった。

 

なにより内陸部から三陸海岸に抜けてリアス式海岸から臨む美しい海まで到達したときの友人の歓声は、耳に心地良い思い出となっている。

 

無事、帰京したクラウンは洗車とガソリン満タン、DIYでオイル交換をした後に、近所のおじさんに返却。「これなら、いつでも使っていいよ」と言ってくれたのが、私としては一番嬉しかったかもしれない。