自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

【新刊紹介】GTmemories12「A183Aスタリオン」本日発売です。

表紙はGSR-Vのマイナーチェンジ版にしました。最高出力はグロスで200ps

モーターマガジン社からGTmemories12「A183Aスタリオン」が本日発売になります。一応私が編集長となっていますが、編集、執筆、その他雑務担当です。

スタリオンというクルマは主観的にはちょっと不思議というかあまり全体像が把握しきれない面がありました。

2リッター直4ターボエンジンで200ps(1984年なのでまたグロス表示です)というのは印象に残っていますが、初期には145ps仕様があったり175ps仕様があったり、グレードもGSR-I、II、III、V(IVがないです)とか、変遷が多いためということもあると思います。

その辺を整理しつつ、「各世代のスタリオンの魅力を紹介できれてばいいなあ」というのが本を作った側としてのスタンスです。当時の三菱としては目一杯思い切って先進的にしたスタイリングや、GSR-Vに搭載された回転域によって1気筒2バルブと3バルブを切り替えるDASH3×2エンジンなどは、今でも見ていて面白いシステムだと思います。

クルマ好きというスタンスとして見ると、当時(80年代)の三菱といえばランサーEX1800ターボの全日本ラリーでの活躍もあり、本来格上のスタリオンの方が影になってしまい、ちょっと不運なクルマというイメージです。全日本ラリーにも出ていましたが、芳しい成績は挙げていなかったように思います。

レースの方では、1985、1986年の国際グループAレースのインターTECなどで海外勢を向こうに回しての活躍はありましたが、これはレベルが高すぎて、ちょっと別世界感がありました。価格が高かったというイメージもあるのですが、200psのGSR-Vでも車両本体で当時241万7000円と思うとびっくりするほど安いです…。もちろん当時の私には買えない価格ですが。

いずれにしても本書は、各世代のグレードの違い、インテリア、エンジンの変遷の解説やレースでの活躍、幻の?グループBスタリオン4WDターボなど、盛りだくさんの内容としていますので、書店などで見かけたら手にとっていただければ幸いです。