エンジンのパワーは、ピストンが上下運動することによって発生しますが、これではタイヤを回す回転運動にはなりません。この上下運動から回転運動への変換の役割を担っているのがクランクシャフトです。ピストンがコンロッドを介してクランクシャフトを動かすことで回転運動に変換しています。
コンロッド(コネクティングロッド)には上端(スモールエンド)と下端(ビッグエンド)に穴が開けられており、それぞれピストンとクランクシャフトに接続されています。
クランクシャフトは、横から見ると文字通りクランク状になっており、前から見ると回転中心があります。
コンロッドはピストンのピストンピンとクランクシャフトのクランクピンに回転方向に対して自由に動くようになっています。燃焼行程でピストンが下がり始めるとクランクアームにより横に振られるように動き、クランクシャフトを回します。
燃焼行程が終わると完成でピストンを押上はじめ、燃焼ガスをシリンダー内から排出します。続いてピストンが再び下がり始め、それによって燃焼に必要な混合気を吸い込み、再び圧縮行程に入ります。この間、クランクシャフトは回り続けます。
ピストン運動から回転運動への変換は、人間が自転車を漕ぐ姿をイメージすればわかりやすいでしょう。膝がピストン、すねがコンロッド、ペダルのついたクランクはそのままエンジンのクランクです。自転車を漕ぐときは、膝が上下に動きます。すねが上下左右に動きながらペダルに力を与え、クランクを回転させます。その回転運動がタイヤの回転につながっているわけです。