自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

自動車の基礎知識(18)アクセルを踏むとスピードが上がる理由

出典:「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」

エンジンは吸気とガソリンの混合気を圧縮、点火して得た燃焼圧力で動く装置です。「ところでアクセルを踏む」というのはどういうことを意味しているのでしょうか?これは機構的には外気とエンジンの間の通路にあるスロットルバルブを開くということです。

アクセルを踏んでスロットルバルブが開くと、入ってくる排気量がエアフローメーターで感知され、適切な量の燃料がインジェクター(燃料噴射ノズル)によって噴射されて混合気となります。吸入された混合気は、エンジンの吸気バルブを通過してエンジン内に流れ込みます。

アクセルを開けるということは、それだけ多くの混合気がシリンダー内に流れ込むということですから、圧縮行程に入るとその分だけ強く混合気が圧縮されることになります。ここでスパークプラグによって適切なタイミングで点火されればより強い燃焼力が生まれます。

出典:「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」

ピストンスピードが速くなり、クランクシャフトの回転が上がって、それと連動した吸排気バルブの開閉スピードも速くなります。アクセルを踏み続ければ、それが連続しますからエンジン回転も高く保たれることになります。

スロットルバルブは、多くはバタフライ状の開閉部になっており、吸気の流れに対して直角で全閉、水平で前回となります。スロットルバルブを全閉にした場合には、完全に閉じてしまうとアイドリングもしないことになるので、吸気を行うバイパス通路を設けて対処しています。

いずれにしても、アクセルペダルの踏み加減によってスロットルバルブを調整し、吸気量に見合ったガソリンを噴射することがエンジン回転をコントロールするということになります。

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