1シリンダーあたりをカムシャフト1本で吸排気バルブを動かすのがSOHC、カムシャフト2本で1本が吸気、1本が排気バルブを動かすのがDOHCです。どちらともクランクシャフトとカムシャフトの連携はタイミングチェーンやタイミングベルトを用います(ギヤで行うものも一部ありますがレーシングエンジンなど例外的です)。
それ以外の方式もあるので説明します。それはSV(サイドバルブ)とOHV(オーバーヘッドバルブ)です。SVエンジンは吸排気バルブがシリンダーの横にありました。こうするとシリンダーヘッドに必要なのはプラグホールのみとなり非常にシンプルです。ただし、ただし、必然的に燃焼室の形が横に長くなってしまうために表面積が増えて圧縮比を上げることができません。
エンジン回転数も上限が4000rpm程度でパワーもどうしても小さくなってしまいます。
そこでSVの欠点を解決するのが方式がOHVです(上図)。これはSOHCやDOHCと同じように吸排気バルブが燃焼室の上になります。バルブを動かすにはクランクシャフト近くのカムシャフトによってプッシュロッドを動かし、シリンダーヘッド側のロッカーアームを押すことで間接的に吸排気バルブを動かします。
これによって燃焼室をコンパクトにでき、パワーを上げられるようになりました。ただプッシュロッド自体は慣性重量が大きいために理想的とはいいきれませんでした。
そこでプッシュロッドを廃し、クランクシャフトからカムシャフトをタイミングベルト(チェーン)で繋いでしまったのがSOHCです。これはシンプルで比較的高回転化もできたので、乗用車用エンジンとして長く使われています。
それをさらに進めて燃焼室の形状の最適化や、1シリンダーあたり4バルブ化がしやすいということでDOHCが登場してきました。
ただ、SOHCはシリンダーヘッド部分か軽いために重心が低くなりますし(OHVも)、圧縮比を上げて、吸排気ポートの形状を最適なものとしてやれば、高回転化も可能で必ずしもDOHCより劣るということはありません。DOHCかSOHCか、あるいはOHVかよりもエンジンの吸気、排気のタイミング、スパークプラグの点火時期などを最適化させるほうがパワーに関しては重要になる場合もあります。この辺は以降で解説していきたいと思います。
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