電子技術がどんどん発展している現代では、スプリングレート、ショックアブソーバーの減衰力などさまざまなものがクルマの状態やドライバーの意図を見越したように自動調整できるようになりました。
1台でいろいろなシチュエーションに対応できる

タイヤの能力を最大限に発揮して、クルマの性能を最大限に引き出して走るには、常にタイヤを路面に接地させておく必要があります。そのためには、スピード域が高くなればそれに合わせてスプリングレートを硬く、ショックアブソーバーの減衰力も高めておく必要があります。
もしスプリングが柔らかいとロールが過大となったり、路面との接地性も悪くなります。かといってやみくもに硬くすると、どうしても路面のギャップを拾ってしまい乗り心地が悪くなったりして一般には好まれません。この辺が乗り心地と高速走行性能の相反するところです。
そこで電子制御でクルマのスピードや姿勢、ドライバーの操作を解析し、その時々に応じたスプリングレート、減衰力にできれば理論上はオールマイティに近いサスペンションとなります。いわゆるアクティブサスペンションと呼ばれるものも、この延長線にあります。
とりあえずショックアブソーバーの減衰力を自動で切り替える

日本では、トヨタのTEMS(テムス)がその端緒となりました。これはスプリングレートは変わりませんが、走行状態に応じて減衰力を可変するショックアブソーバーで、初期のものはロータリーバルブを電動アクチュエーターによって3段階に切り替えることが可能でした。
走行状態を、上下Gセンサー、スロットルポジションセンサー、舵角センサー、車速センサー、ストップランプスイッチなどで検出するもので、急加速時、急ブレーキ時、コーナリング時に減衰力を高くします。その後、発展してよりきめ細かく制御できるピエゾTEMSなども開発されました。
最近ではAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)と名前を変えています。車体の上下の動き(加速度)を感じ取るGセンサーの信号をもとに、路面からの衝撃(入力)による車体の動きを検知し、4輪の減衰力をきめ細やかに制御します。

