自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

自分の本特集(9)「 自動車用語辞典 増補2訂版(グランプリ出版)」

グランプリ出版の創業35年記念プロジェクトが「自動車用語辞典 増補2訂版」です。

自分の本とは言い切れないのですが、編集委員の1人として参加させていただいたのが「自動車用語辞典 増補2訂版」です。2016年3月の発売でした。もともとグランプリ出版のロングセラーとして自動車用語辞典があったのですが、それをリニューアルするプロジェクトでした。

この頃、私は同書の編集委員長の飯塚昭三さんの勧めもありRJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)に所属し、専業ではありませんが自動車ライターに回帰?していました。一時期は、「もう忖度ばかりの自動車メディア業界から離れたいなあ」と思っていた時期もあったのですが、知らず知らずまた引き寄せられてしまい、なんとなく「この道で行くしかないのか」とも思い始めていました。

この本(辞典)に関しては編集委員の一人として参加させていただきました。

まあ、私が委員として選ばれたのは、基本「暇ライター」ですからグランプリ出版も声をかけやすかったという面はあるのでしょう。それでも自動車メーカーのデザイナー(坂口善英さん)、エンジニア(堀重由之さん)、タイヤメーカーのエンジニア(馬庭孝司さん)たちと名前を並べていただいたのは恐れ多くもありがたいことでした。とくに、坂口さんとは何度かグランプリ出版で打ち合わせをさせていただき、カーデザインの現場の話はもちろん、HAL東京のカーデザイン学科の教官として、今どきの学生事情なども伺い、いろいろ勉強になりました。

具体的に私が担当したのは「シャシー」とその他「担当がはっきりしない部分」という感じでした。もちろんもともと用語辞典に載っていた用語がありますので、それを活かせる部分は活かし、古くなった部分や表現的に微妙な部分を改訂したり、新たに書き加えたりという作業をしました。これから自動車業界に関わろうという学生や、現在関わっているプロも使うものという意味ではかなり神経を使ったと思います。

厚みがあると自然に本が閉じて、作業をしながら見るのに不便ですが、そこを製本で対処しています。

グランプリ出版の方も「使い勝手」という部分では気をつけたようで、雑誌でも同じですが厚みがあると、見たいページを開いておきたいときに、自然に閉じてしまって不便ということがありますが、本の綴じ方を工夫することで開いたままにできるということもウリにしていました。

個人的にはホイールのオフセット量を「プラスオフセット」「マイナスオフセット」と呼んでいた時代から「インセット」「アウトセット」に変わる直前だったために古い表記になってしまったなどの惜しかったな…という面はありますが、この本は現在でも絶版になることなく着々と売れているようで一安心というところです。