自動車メーカーは、より良いサスペンションを作るべく努力していますが、そんな中で生まれたサスペンション形式をいくつか紹介します。まず1991年にトヨタが開発したスーパーストラットサスペンションです。
スーパーストラットはキャンバー変化を適正化する

ストラット式はシンプルで優れたサスペンション型式ですが、キャンバー変化が大きく、コーナリングの際などに深くロールするとキャンバー角がポジティブ方向になり、タイヤの性能を活かしきれないことがあります。
その点、ダブルウイッシュボーン式は、ロールしてもキャンバー角を適正化できるメリットがあります。
スーパーストラットは、ストラット式のまま対地キャンバー角をダブルウイッシュボーン並にできる構造になっています。具体的にどのようになっているかというと、ロワアームの中間にキャンバーコントロールアームを設け、ロールしたときにそこが可動することでキャンバー角がつく構造です。
バイザッハアクスルはトー変化を利用する

キャンバーではなく、トー変化を積極的に利用して走行性能を高めるサスペンション形式にバイザッハアクスルがあります。これは1977年にポルシェによって開発されています。
通常はトー変化が走行状態によって変わらない方が安定した走りができるのですが、それを逆手に取ったともいえます。構成は、セミトレーリングアーム形状のロワアーム、アッパーIアームからなり、ロワアームの前端にジョイントを介して取り付けられた短いリンクがあります。これがポイントです。
まず制動時、リンクのジョイント角度が変化し、トーをイン方向に変化させます。これはブレーキング時にリアの直進安定性を高めるので、制動が安定した方向になります。また、コーナリング時には外側のトーがインに変化することによって横滑りを防止します。逆に加速時はそのままだとトーがアウトに変化し不安定になるので、ストッパーが設けられ、それを防いでいます。

