自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

神田神保町で

 神田神保町に行って、単行本の参考になりそうな本を探す。菅村書店で『スピードライフ』1954年3月号を買った。硬軟取り混ぜた内容になっていて、なかなか面白い。その中に、陸王の広告を見つけて「そういえば、うちの親父も陸王に乗っていたな」と思い、「乗ってたのこれ?」と聞くと「俺は750だ」と言われた。あと、「陸王だけじゃなくて、ハーレーも持っていた」と念押しされた……。

 ちなみに、親父は自動車板金塗装業をしていて、城北ライダース(知らないかな?)と親交があったらしく、ヘルメットのカラーリングをしていたという(本人談)。「はじめは数個だったのが、しまいには20個くらい塗装することになって大変だった」とも言っていた。古きよき思い出なんだろう。

北沢氏の講演

 ジャーナリストの北沢栄氏の講演会に行く。先日、急に電話がかかってきて、何事だろうとちょっとひるんだのだが、「4月6日の夕方、空いているなら来なさい」(こんな脅迫的なもの言いではなかったが……)という連絡だった。ということで、一も二もなく参加した。

 テーマは「社会保障と消費税のあるべき本当の姿」(レジュメ:PDF)。政治や行政に裏切られ続けて、あきらめムードが漂うなかで、北沢氏が精力的に調査しつづけ、改革案を出す姿勢に感銘を受けた。あきらめてはだめだ。

グランプリ出版へ

 あらかじめグランプリ出版のK編集長に提出してあった企画の説明をするために、グランプリ出版にお邪魔する。こういう機会は久しぶりだったので、大変緊張してしまった。K編集長は、大変丁寧に対応してくれて、企画を修正したのち編集会議にかけてくれるとのこと。ありがとうございます。

アルファへ

午後からI氏のクルマに同乗させてもらい、すごく久しぶりでアルファにお邪魔する。中村社長からフェイスブック経由で「遊びに来れば」というお誘いを受けて、それを真に受けた形だ。中村社長には、拙著「必勝!ジムカーナセッティング」書くときに大変お世話になっている。

プレイドライブが休刊した直後ということもあり、話題の中心はどうしてもそっち方向に行ってしまう。ただ、中村社長は相変わらず? 精力的な感じでBRZの納車を楽しみにしているようだった。モータースポーツやってる人はいくつになっても若い!

ちなみに、モータースポーツ歴50年になろうかというI氏は、レース参戦のためにレーシンググローブを買っていた!

モータースポーツとサラリーマンの小遣いの関係

 プレイドライブが4月号で休刊ということで、ますます参加型モータースポーツも厳しくなってしまった。私も2000年まではモータースポーツ誌の編集長という立場だったし、その後、フリーランサーとしてプレイドライブで仕事をさせてもらった。他人事ではない.  今でもモータースポーツが好きということでは人後に落ちないつもりだし、今でも余裕があればダートラでもジムカーナでも参加したいという気持は持っている。その余裕がなかなか生まれないのが、才覚のなさかな? とは思っているが、こちらに行くと話がずれそうなのでこの辺で止めて置く……。
 で、最近は、モータースポーツから遠ざかってしまっているため、とんと業界には疎いのだが、久しぶりにモータースポーツを統括しているJAF(日本自動車連盟)にのHPに行ってみた。そこで「モータースポーツ統計」
http://www.jaf.or.jp/msports/toukei/fr/f_index.htmのコーナーのデータをもとにして、ジムカーナとダートトライアルの参加台数の折れ線グラフを作った。

これを参考にモータースポーツの状況について書いてみたい(たった一つのデータですし、想像の部分が多いので、分析? の部分は参考程度に)。
 まず、出場台数を見ると、カテゴリーに限らず右肩下がりなのはご存知の通り。特に97年から99年あたりでジムカーナが落ち込んでいる。世の中的には、山一證券が破綻したり、消費税が5%になった時期にあたる。
 その後、特にジムカーナではっきり分かるのが1999年から2000年にかけて落ち幅がゆるくなっていること。ここは「景気が底を打った」などと言われているころだろう。ITバブルなどと言われていた。世の中的にどうなのだろうとネットで検索してみると、新生ファイナンシャルグループが発表した「サラリーマンの平均お小遣い」というのがあった。

http://career.oricon.co.jp/news/89261/full/#rk
 それを折れ線グラフにしてみると、結構出場台数と連動している感じだ。

 当たり前といえば当たり前だが、一般的には浮世離れしている趣味のように思われるモータースポーツも、経済動向と無縁でもいられないようだ。一旦ゆるくなった出場台数の落ち方が一旦持ち直したのが、2001年以降にまた落ち方が急になる。これもサラリーマンの小遣いと連動している。
 ただ、ジムカーナが2003年に踏ん張り、翌年はやや上向きにさえなっている。ここで何があったか思い出してみると、JAFの車両規定の改定で、N車両が設定された時期だ。よりノーマルに近いN車両の導入は、特にジムカーナにとっては有効な方法だったのかな? と想像できる。Sタイヤではなく、ラジアルタイヤでジムカーナを、という動きも活発になった頃だろう。ダートラの方も角度が若干ゆるくなっている。
 「サラリーマンの小遣い」のグラフでは、2007年は二つ目の山でもある。ここは、モータースポーツでも本来ならもうちょっと参加台数が増えても良かったと見るか、この程度の落ちで済んだと見るかは意見の分かれるところだと思う。ただ、この競技出場台数のグラフは、JAFのものだから、2つめの山の時期にライセンスなしで出られる草レース、ドリフトなどに流れていった人がいることも想像できる。いずれにしても、その後は右肩下がり。ジムカーナとダートラがほぼパラレルに下がってきているのも特徴だ。
 そして、昨年は東日本大震災から、福島第一原発の被災と放射能漏れ問題、ユーロ安、円高で自動車メーカーはもちろん、経済全体の不振などなどマイナス要因ばかり。
 ジムカーナもダートラも、関係者は、参加者を増やすための努力をしてきているのだと思うが、世の中の流れの前には無力なのかもしれない。プレイドライブ編集部も本当にお疲れさまでした。

 と暗いエントリーになってしまったが、決して諦めているわけではないので、念のため……。がんばろう! モータースポーツ

今年のこと(いまごろ……)

 旧年中は、一年弱のサラリーマン生活を経験した。ただ、思いがけずなのか、思いどおりなのかは非常に微妙なところなのだが、現在はフリーに復帰? している。ここに至る経緯は、書ける時期が来たら書きたいと思っているが、現状の零細出版社は大変だということだけは身にしみた。まあ、いろいろ勉強になったことは感謝している。
 今年、何をしようかと考えてみると、まずは生活のことがあるので定収を得なければならない。再就職が、失業給付を受けている身としては第一選択になる。昨年のような思いをするのなら、ちょっとご勘弁願いたいというのが本音だが……。
 もうひとつ、再びフリーライター(!)という選択肢もある。まだ、確定ではないが、数年前に出した単行本を改訂出版するという話もあり、淡い期待を寄せているところ。昨年、あらためて出版業界は厳しいことを痛感したわけだが、ここまで来てしまった以上、この業界以外で生きていく自分を想像するのは難しく、あきらめて? 何かを書いていくことにフォーカスすることも視野に入れている。
 その「何か」だが、これまでの経緯を考えていくとやはり「クルマ」ということになるだろう。ところが、そのクルマ業界自体が非常に危ういのはご存知のとおり。私はモータースポーツを専門にしてきたわけだが、これもクルマ業界以上に衰退の一途をたどっているように見える。最近、現場に行っていない(なんと今、クルマを持っていない! こんなことは免許証を取ってからはじめて……)ので、断定はできないがJAFライセンス発給も着実に減少している。http://www.jaf.or.jp/msports/toukei/fr/f_index.htm
 とはいえ、モータースポーツはすでにJAFだけのものではなくなっているし、新車でモータースポーツに使えるクルマがなければ、古いクルマを持ってきて、草レースなどを、それぞれのスタンスで楽しんでいる人もいる。40代、50代という人がビギナーとして出場しているという話も聞くので、成熟している面もあるのだろう。まあ、若者のクルマ離れとか、モータースポーツに手軽に使える新車がないなどという話を書き始めると長くなりそうなので、ここら辺で止めて置こう。
 一番問題なのは、私がこのブログを放置してきたこと(笑)。せっかくの手軽な自分のメディアなのに。できるだけクルマ、モータースポーツの話で更新していきたいという希望はあるが、非常に移り気な面があるので、どう転ぶか分かりません。

モータースポーツのためのチューニング入門

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もうすこしで在庫切れです。そうすれば改訂版が出せますので、ご協力お願いします<(_ _)>