自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

2016年11月の写真から。R35GT-RでRJCカー・オブ・ザ・イヤーの選考会へ。

この日は、横浜の日産本社で「NISSAN GT-R 2017モデル」を借り出しました。これは大先輩である正岡貞雄(ベストカー初代総編集長)さんに便乗した形です。

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横浜にある日産グローバル本社の駐車場でGT-Rを待っていると、「アルティメイトシャイニーオレンジ」のボディのGT-Rが運ばれてきました。キーを渡され、日産本社から第一京浜に出て、首都高横羽線の東神奈川から都内へと向かいます。試乗ルートをざっくりと言うと、当日は日産本社から都内の正岡邸へ。さらに日を改めて都内から栃木県のツインリンクもてぎを往復するというコース。これはRJCカーオブザイヤーのテストデイ(最終選考会)のための移動です。もてぎ往復では主に私がドライビングし、その後は正岡さんが自身のメニューをこなし日産に返却するというものでした。

とりあえず首都高でまあまあ深くアクセルを踏み込むチャンスを待ちます。3.8L・V6ツインターボで、570ps/6800rpm、637Nm/3300-5800rpmというスペックは、右足に力を入れただけで弾丸のように突き進もうとします。

6速デュアルクラッチトランスミッションは、パドルシフトでも全開加速では回転の上がりが速すぎて上手いタイミングでシフトアップするのは難しそうな感じでした。もっとも渋滞でアクセルを踏める期間は短いものでしたが。

乗り心地に関しては昔ながらの「スポーツカー」というのとは明確に違います。しなやかなという表現もできるでしょう。常に十分なストロークでサスペンションが動いている感じ。

 さらに日を改めてツインリンクもてぎに向かいました。ここでは高速ツアラーとしての実力を発揮しました。常磐道を普通に走っているだけでは、「GT-Rがほんとこれでいいの?」という感じ。あまりに快適で、長距離移動が楽なクルマというイメージです。ただし、いったんアクセルの上の右足に力を込めれば、暴力的ともいえる加速感が背中を押します。100km/h時のエンジン回転は6速で2400rpmほどだから割と高めです。

GT-Rの真骨頂はワインディングロードのはずです。これはサーキットでこそ体験できるのでしょうが、今回の試乗では叶いませんでした。それに近い走りができたのは、ツインリンクもてぎ周辺のいくつかのコーナーです。しっかりと剛性感のあるブレーキフィールを感じながらスピードをコントロールし、ステアリングを切り込むと、特段シャープというわけではないですが、レールの上をトレースするようにコーナリングします。コーナーが続いても重量級のボディとは気づかせないように適度なロールスピードと控え目なロールアングルでこなしていくのが印象的でした。