ディスクブレーキが主流となる前は、ドラムブレーキがブレーキシステムの主流でした。リーディング・トレーリング式ともいわれますが、ホイールシリンダー内のピストンが押し出されることでブレーキシューのライニングがドラムの内側に押し付けられて制動力を発生します。ディスクブレーキならライニングがブレーキパッド、ドラムの内側がディスクローターに該当します。
ドラムブレーキがシューのライニングがドラムに押し付けられる

ブレーキシューとホイールシリンダーは、サスペンション側のバックプレートに固定されており回転しません。逆にブレーキドラムはハブとつながっており、ホイールと一緒に回転します。
ブレーキペダルを踏み込むことによってホイールシリンダー内に圧力が伝わると、シリンダーの両側からピストンが押し出されます。ブレーキシューは、シリンダーの180°向こう側にあるアンカー(支点)につながっており左右に開くように押し出されます。こうすることによって、ブレーキシューの外側に貼り付けられたブレーキライニングがドラムの内側に押し付けられて制動力を発揮します。
ドラムブレーキの特徴的な部分として自己倍力効果があげられます。これはピストンが押し出されブレーキライニングがブレーキドラムに押し付けられると、ドラムの回転によって引っ張られる側のシューがさらに外側に広がろうとするため、より強くブレーキが効く効果です。
自己倍力効果を発生するのがリーディングシュー

この引っ張られる側のシューをリーディングシュー、もう一方のシューをトレーリングシューということから「リーディング・トレーリング式」と呼ばれているわけです。最近はあまり見られなくなりましたが、乗用車のリアブレーキには比較的よく用いられてきました。
またツーリーディング式という方式もあります。これはディスクブレーキが普及する前の乗用車のフロントブレーキによく利用されていました。ホイールシリンダーが二つありリーディングシューも二つあるといタイプのブレーキで二つのシューがリーディングシューの役割をするために強い制動力が得られます。
ドラムブレーキは、ディスクブレーキより強い制動力が得られる反面、自己倍力効果も含めて細かいコントロールが難しい点や、ドラムの内側という密閉空間の中で摩擦が発生するために熱がこもりやすくフェードやベーパーロックが発生しやすいという欠点があります。
ただ、ドラムの周囲にアルミの冷却フィンを付けた「アルフィンドラムブレーキ」というデバイスもあり、モータースポーツ走行などでの冷却性を上げる工夫もされたりします。これはこれで機能美があり、効果的なパーツとなっています。



