◎吸気システムの概要
前回、バルブタイミングについて解説しましたが、エンジンを調子良く回転させるには、あわせて吸排気システム、燃料供給装置、スパークプラグによる点火、点火時期なども密接に関連しています。今回は、まずエンジンに空気を取り入れるしくみを説明します。
外部から空気を取り入れて、ガソリンを混ぜた混合気をシリンダーに供給する装置までを吸気システムといいます。
吸気システムの経路をエンジン本体までたどっていると、外気とつながるエアインテークからまずエアクリーナーボックス内のエアクリーナに繋がります。これは外気に混じったゴミを取り除くためのパーツです。
エアクリーナーを通った空気は、その空気量、温度などをセンサーで測定するエアフロメーターを通ります。これは適切な燃料を噴射するための装置で、測定にはいくつかの方式があります。これは回を改めて解説したいと思います。
エアクリーナーを通過した後にはスロットルバルブがあります。ドライバーはアクセルを踏んだり緩めたりすることでエンジンの回転数を調整しますが、それはスロットルバルブがアクセルペダルと連動して開いたり閉じたりすることで、吸気量がコントロールされるからです。
◎吸気システムにおける空気の流れ
続いてインテークマニホールドに至りますが、その上流にはサージタンクやコレクタータンクと呼ばれる一旦吸気をプールする部屋があります。ここに空気をためることで、各シリンダーに配分される量を均等化する目的があります。
サージタンクを経た空気は、各気筒ごとに割り当てられた空気の通り道であるインテークマニホールドに入っていきます。インテークマニホールドには(ポート噴射の場合)インジェクターがあります。これがガソリンの噴出口です。ここで入ってきた空気にエアフロメーターで感知された分のガソリンが混合されるわけです。インテークマニホールドについては次回もう少し詳しく解説したいと思います。
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