クラッチのチューニング方法とその効果
クラッチディスクの摩擦係数を高める方法

クラッチのチューニング方法はクラッチディスクのフェーシングの摩擦係数を高め、同時にクラッチカバーの圧着力を強化することですが、実質的には強化クラッチへの交換となります。
クラッチディスクのほうは摩擦係数を高めるだけでなく、クラッチプレートの下図を増やす場合があります。通常はシングルプレートのところをツインプレートやトリプルプレートにする方法もあります(上図)。材質も通常の非メタル(繊維を樹脂で固めたものなど)からメタル(銅等)製にする方法が取られることもあります。
クラッチ強化のメリットとデメリット
シンクロメッシュやトランスミッションへの負担
ただしクラッチを強化するといっても、プレートのを増やしたり金属製にすると今度は慣性マスが大きくなってしまい、クラッチ切れ不良を起こし、かえってシフトチェンジがスムーズにできなかったり、トランスミッションに負担を与えることがありますから、選定は慎重に行なう必要があります。
クラッチを切れば通常はトランスミッション側はエンジン回転から切り離されますが、クラッチディスク自体が重いと、メインシャフトの回転が落ちにくく、シンクロメッシュに負担を与えるという面もあります。
駆動方式によるクラッチ強化の重要性
2WDの場合、いくらクラッチを強化しても、路面とタイヤがスリップしてしまえば駆動力(トラクション)が逃げてしまうのでクラッチ強化重要度が下がります。逆に言えばクラッチの負担が減るとも言い換えられます。
GRヤリスやランサーエボリューションなどのハイパワー4WDの場合は、路面とタイヤがスリップしづらいので、トラクションの逃げ場がなくクラッチの負担が大きくなります。この場合はクラッチ強化が重要になります。エンジンノーマルでも装着される場合が多いです。このようなクルマでモータースポーツのような激しい走行をすると、クラッチトラブルに繋がりかねません。
競技用クラッチの特性と日常使用への影響
メタルクラッチの扱いにくさと寿命
競技用の強化クラッチは、クラッチの寿命を長くする意図から製作されているわけではないこともポイントです。競技ベースで考えた場合、極端にいえば1レースだけ十分なクラッチの圧着力が得られればいいわけで、寿命に重きは置かれていません。さらに日常でメタルクラッチを使用すると材質によっては半クラッチが難しく、扱いにくくなる場合もあります。
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