自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

救急講習取材&受講など

 前回4月28日の表示になっているが、実際は4月29日(日)にオートランド千葉主催で千葉市消防局指導による「普通救命講習」を受けてきた。かつてモータースポーツ関係者のファーストエイドの講習会を受けたことがあるのだが、そのときの受講カードを探して確認してみたら1998年で9年も前のことだった。やはり怠惰な自分を痛感する。

 講習会は定員20名のところ、参加者は13名。別に全日本選手などの有名選手ではなく、県シリーズなどに参加している選手たちだ。中には複数回の受講者もいて、率直に敬意を表したい。こういう人がモータースポーツを支えているんだろう。

 実際に、救命措置が必要な場合に立ち会ったらそんなことは言っていられないだろうが、救命講習というのは、ちょっと気恥ずかしさがある。それは、講師や受講生が見ている中で、実際に実技をするのだが、自分のしている行動をひとつひとつ口に出して言わなければならないからだ。

 9年前にファーストエイドの講習を受けたときには、一番最初に「私は、ファーストエイドの講習を受けたものです。ご安心ください」と宣言して、周りの人を安心させてから措置に入るように教えられた。実際に自分がそう言えるだろうかと思うとともに、これはやはり恥ずかしかった。

 今回の消防署の講習では、その宣言はなかった。また、自分が10年近く年をとったせいもあるのだろうが、大分落ち着いてできたが、それでも恥ずかしさと緊張感がともなう。実技で発する言葉は「人が倒れています」「反応の確認をします」「反応無し」「人が倒れています。ご協力をお願いします。あなたは119番への通報をお願いします。あなたはAEDの手配をお願いします」「気道の確保」「(倒れている人の口に耳を近づけ、胸の上下動を見ながら)見て、聞いて、感じて、4、5、6、7、8、9、10」「呼吸無し」「人口呼吸をします」「心臓マッサージをします」などと続き、AEDの手配が付いたら、それを使用し、救急車が到着するまで、人工呼吸と心臓マッサージを基本的に5セット繰り返す。

 心臓マッサージは1セットが30回なのだが、私は、動作がとろいようで、他の受講者より時間がかかったようだった。オートランド千葉ではこれからも救命講習を定期的に開催する予定ということなので、ぜひ一度と言わず2度、3度と受講することをオススメする。もちろん、私もそうしたいと思う。また9年経ってしまったなどとは書きたくないので……。

 その翌日はプレイドライブ誌のS氏とカメラマンのK氏とともにスポーツランド信州へ取材に行く。内容はダート専用のレーシングカート「カートクロス」の紹介と試乗、および、元全日本ダートトライアルC3クラスチャンピオンの堀江真徳選手による、「Sタイヤでダート走るのはアリだが、俺は嫌だよ(仮題)」

 カートクロスは次号、堀江選手のタイヤ企画はおそらく次々号(最終号・泣)にのる予定なので、ぜひ購読していただきたい。カートクロスは走る楽しさという面では非常に優れている。そして堀江選手の走りはさすがだったとだけ書いておこう。

 話は変わって、最近、広告というものについて考えさせられることが多い。というか前々から媒体と広告の関係というのはどうあるべきかということは気になっていたのだが、不勉強だった。

 そんなこともあって、昨日と今日で2冊の本を読んだ。『われ広告の鬼とならん(舟越健之輔・ポプラ社)』と『電通の正体(週刊金曜日取材班)』の2冊。前書は500ページを超える厚さだったが、別に難しいことは書いていないので、そんなに時間をかけずに読めた。これは電通の基礎を築いたと言われる4代目の社長である吉田秀雄氏の伝記。

 私も電通の「鬼十則」などは聞いたことがあった。嫌な社訓? だなと思っていたが、この本を読んで、その思いが一層強くなった。著者的にはおそらく、吉田氏を賞賛するスタンスなのだろうが、私は嫌悪感を強くするというのは、へそ曲がりなのだろうか?

 もう一冊は週刊金曜日の連載をまとめたもの。「金曜日」自体がバイアスの掛かった雑誌だから、鵜呑みにはできないが、こちらの方が腑に落ちる感じはした。ただし、『われ広告の……」からの引用があるのだが、そこで著者名を間違っているのはいただけない。こういうのは他山の石としなければいけないのだろう。

 あと一冊未読のものが『ドキュメント戦争広告代理店・情報操作とボスニア紛争高木徹・講談社)』。媒体と広告についてのまとめは、この本を読み終えてからにしたい。