前回のブログでも紹介したように、2015年にスバルサンバーの本を書きました。その前に書いた「モータリゼーションと自動車雑誌の研究(グランプリ出版)」が取材と執筆とを合わせると1年くらいかかってしまったので、もう少し短期で書けて確実に売れそうな本を考えていたのですが、三樹書房の編集者が「サンバーは根強い人気があるし、確実に売れるのではないか?」という提案をしたことから企画が始まった感じでした。
●モータリゼーションと自動車雑誌の研究のダイジェストはこちらから読めます。
私も1車種に絞って書けるのならば、そんなに大変ではないかな?と甘い見積もりで始めたのですが、軽く歴史を遡るだけでは一冊になりません。当時の資料や新車発表時の資料を集めに国会図書館、自動車図書館、トヨタ博物館の図書館に行ったり、スバルの許可を得た上で当時のカタログをすべて集めるだけでもかなりの手間です。
あまり苦労話をしても良くないとは思うのですが、ある程度本が形になってからも、掲載カタログの全てにキャプションを入れたので、それだけで編集部に2週間位は通い詰めた感じでした。おそらくその原稿量だけでも単行本1冊分くらいになっているのではないかと思います。
おかげで発売してからは好評で、アマゾンだけで言えば、単行本総合で100位台くらいに上がり、当然のようにクルマ・バイク部門ではしばらく1位を続け、「これでしばらく遊んで暮らせるのではないか?」と勘違いしたくらいでした。悲しい話、かつてはアマゾンなどでどかっと売れると、その後書店から次々と注文が入る感じだったのですが、期待したほど書店からの注文はなかったようです。いわゆる本離れはこの頃から進んでいました。
ただ、スバルの本拠地である群馬県太田市の書店ではかなり良い売れ行きを見せていたという話は聞いています。このように地元紙である「おおたタイムス」がしっかりと紹介してくれたのは大変ありがたいことでした。
ちなみに一緒に紹介されている「スバル360開発物語」は私がかつて勤めていた出版社の大先輩にあたる桂木洋二氏の著書で、NHKのプロジェクトXのスバル360の回の元ネタになった本です。
私の「スバルサンバー」の方も発売して9年経ってしまいました。ただ、サンバーに関しては昨年BSJapanextの「国分太一のザ・クラフツメン」で解説の依頼が来たり、今年になってからも同番組からスバル360の方の解説の依頼が来たりと、不思議な縁を感じたりしています。2台とも根強い人気がありますね。
「スバルサンバー 人々の生活を支える軽自動車の半世紀」はアマゾンなどで価格が高騰していますが、もしかすると書店から返本されていたり、私がイベント用にサインしたものが三樹書房にあるかもしれないので、気になる方は聞いてみていただければと思います。