自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

2018年10月3日の写真から。三菱エクリプスクロスの試乗会。

「アクセル全開で…」という増岡さんの指示のまま急坂を駆け上がってきたところだと思います。

 

2018年10月の写真で場所は静岡のオールラウンドV裾野です。この年はRJC(日本自動車ジャーナリスト・研究者会議)の理事をしていて、三菱のエクリプスクロスを試乗させてもらいました。会場にはパリダカなどでの活躍で知られる増岡浩さんも来ていて、増岡さんのスリリングなドライビングを堪能しました。

実は増岡さんの横というのは初めてではなくて、90年代の現役バリバリの頃にパリダカ仕様のパジェロで経験しています。大ジャンプをして着地の後にこにこしながら「ねっ、全然だいじょうぶでしょ。ショックも少ないし」と言うある種、増岡さんの変態的な様子も見ていたので、今回は市販車ということも含めて大分普通な感じでした。

その後、増岡さんを助手席にして私が運転となります。増岡さんからは抑えて走るような指示は一切なく「あそこのコーナーはアクセル全開でいけますから」とややあおり気味のアドバイスに私も応えるべく?走っています。スラローム的なところでは「けっこうやりますね」的なことも言われて、「ちょっとダートラもやってたので…」と私が言うと、なんとなく納得してくれたようでもありました。

このエクリプスクロスというクルマは、スポーツ走行にはちょっと足が柔らかいかな?という感じはあったのですが、本当によくできた4WD(S-AWC)で、ドライビングが上達したように感じさせるクルマだったように思います。

ダートのコーナリングでもきれいにインに入っていくのですが、そのままアクセルをゆるめずにパワーで回り込もうとすると、どうしても電子制御が介入してパワーを絞ってしまうのが残念でした。もちろん安全性を考えればそれが正解なのでしょうが。

この年、エクリプスクロスがRJCカー・オブ・ザ・イヤーを獲得することになります。まあ、この賞の受賞自体の意味がどうこうというよりも、三菱はリコール隠しやなんやらで叩かれ(当然のことですが)、メーカーとしての存亡の危機に経たされるという厳しい時代を経て、待望の新型車がある程度は世に認められたということはよかったのではないかと思います。

それまで私も三菱自動車に関して(というか基本はどのメーカーに対してもですが)、なるべく距離を置くように心がけているのですが、三菱はいい方向に変わったなという印象を持ちました。

ちなみに私はこの年でRJCを辞したので、選考に関わったのもこの年まででした。