九州ダートトライアル第7戦レポート

竜巻玉子さんから、九州ダートトライアル第7戦「BPFCUPブッグサマートライアル」のレポートが届きました。豪雨の次は酷暑! の九州。現在、おそらく地区戦が一番詳しく報道されるのは、九州地区だけでしょう。これも竜巻玉子さんのおかげ。細々とやっている私のブログに投稿してくれることを感謝しています!

●九州ダートトライアル第7戦 「BPFCUPブッグサマートライアル」
●開催日:2007年7月29日(日)
●会場:三井三池オートスポーツランド
(三井三池オートスポーツランドは、8月1日より施設名称が『モピリティおおむた』に変わりました。 )
●レポート:竜巻玉子

数々の爪あとを残した今年の梅雨であったが、やっと梅雨明け宣言が出され、夏らしい天気になった。会場である三井の最高気温は34℃とのことだったが、路面の照り返しや競技車の熱気で会場はまさに灼熱状態!!。さて、季節は梅雨が明けたばかりだが、シリーズの方はすでに9戦中6戦を消化し、今回は7戦目である。クラスによっては、チャンピオンの決定したクラスもあり、参加台数が懸念されたが、なんと今年最多の70台がエントリーしてきた。終盤戦となったこの1戦、夏を制するものが、シリーズを制するの合言葉のごとく、暑く、そして熱く燃えた。

■N1クラス
シリーズリーダーの橋本選手(MASH)、シリーズ2位であり、全日本で優勝した大塚選手(TS大分)はもちろんエントリー。今回は、先日の全日本の京都で優勝した、古賀選手(DESIRE)もエントリーしてきた。この3選手を中心に競技が展開されると思われる。1本目、ゼッケン2番の古賀選手が、2分2秒46のタイムを出す。このタイムがこのクラスの基準タイムとなると思われたが、さすが全日本優勝経験者。他の選手はなかなかタイムを更新することができず、そのままクラストップのタイムとなった。気になる大塚選手は、クラス2番手のタイムであったが、2分5秒台止まり。いかに古賀選手のタイムが抜きん出ていたかわかる。

2本目、やはりゼッケン2番の古賀選手がさらにタイムを縮める。そして、古賀選手の次に出走した宮地選手が、古賀選手と同秒台のタイムを出し、思わぬ伏兵の登場にN1の参加者に動揺が走る。競技は続行されているが、この2人の出したタイムを更新するものはなかなか現れない。そしてラス前ゼッケンの大塚選手。宮地選手のタイムを更新するが、古賀選手に追いつかない。続くラストゼッケンの橋本選手。いつもの攻撃的な走りで激走するが、どうしたことか、ゴール前のターンで失敗。平凡なタイムに終わってしまった。
−−− 上位入賞者(N1) −−−
1位:古賀 徹 (DESIRE)2分01秒10
2位:大塚 晋祐(TS大分)2分01秒17
3位:宮地 聖 (BATTLER)2分01秒28

■N2クラス
N2はいつもながら、不成立である。

■SA1クラス
シリーズトップの岡田選手(FMSC)、大ベテラン古城選手(SECT)は、今回不出場であるが、シリーズ上位につける、平川選手(TS大分)、河村選手(SECT)、近藤選手(RC熊本)はエントリーしている。今回は岡田選手が欠席ため、誰が勝ってもおかしくない状態である。1本目、まずは河村選手から。所属チーム会長の古城選手が今回欠席のため伸び伸び走っている。次は昨シーズンお休みして、今シーズンより復活した近藤選手。「えっ」というくらい遅いタイム。何かトラブルがあったのか、精神的な問題なのかは分からないが、らしくない走りであった。ラストゼッケンは、平川選手、いつものクレバーな走りで着実にタイムを重ねる。1本目は、河村選手−平川選手の順でその差は約1秒弱であった。河村選手の車は、全日本ラリー優勝経験もある大川和彦選手が面倒を見ており、とりわけボディの剛性に関しては人一倍こだわりを持った車造りをしている。そのためクイックに動く挙動は河村選手の走りにも生かされている。三井の外周のジャンプ台を超え、海側のコーナーに進入するスピードはクラスで1番ではないかと思われるくらい高い。

2本目、河村選手は、さらにタイムを縮めゴールした。次の出走は近藤選手である。1本目不本意な成績に終わった近藤選手は今度は転倒。近藤選手は次回主催であるため、なんとかポイントを伸ばしておきたいところであったが残念な結果に終わった。最終ゼッケンの平川選手は、ゴール前のターンでいつもより派手に車のリアを流す。クレバーな走りで細かいミスを犯さない平川選手らしくない走りである。このミスが集ったのか、そのまま惰性でゴール。なんとこのとき、ドライブシャフト破損させていたのだ。河村選手には、100分ノ5秒届かなかった。なんとも悔やみ切れない結果となった。
−−− 上位入賞者(SA1) −−−
1位:河村 紳司(SECT)1分59秒44
2位:平川 弘司(TS大分)1分59秒49
3位:伊藤 悠介(QUCC)2分01秒72

■SC1クラス
前回、山下選手(DESIRE)のぶっちぎりで、幕と閉じたこのクラスであるが、今回は全日本にも参戦するボスケン選手(DESIRE)、安本選手(DESIRE)がエントリーしてきており、山下選手としてはうかうかしていられない状態である。また久々に牟田直子選手(AGRESSIVE)もエントリーしており、男勝りに走りに期待がかかるところである。1本目、トップタイムをたたき出したのは、安本選手である。2番手には不利なEP82の改造車でがんばる山下選手がつけ、前回の優勝はフロッグではないことを証明している。3番手には、ボスケンが着けた。

2本目になると、気温も路面温度も上がっており、1本目と2本目の時のインターバル時の散水も完全に乾いてきており、全車イコールコンディションで戦える状況になってきた。2本目、まずは全日本に参戦しているため、地区戦のポイントが少ないボスケン選手から。1本目は久々に走る三井の感覚がつかめなかったのだろう。2本目は斬れのいい走りをみせ、タイムも1分56秒台に載せた。ボスケン選手の出したタイムは、後続の選手にはなかなか破られない!。そして同じチームの安本選手の番が来た。ことらもボスケン選手に勝る走りをするが、一歩及ばず。そして山下選手は1本目よりタイムを更新するが、上位2台には届かず3位となった。結果、1-2-3位をワンズターン軍団が、占領する形となった。
−−− 上位入賞者(SC1) −−−
1位:ホズケン (DESIRE)1分56秒22
2位:安本 くにお (DESIRE)1分56秒36
3位:山下 雅博 (DESIRE)1分59秒06

■SC2クラス
シリーズリーダーの森選手(BIGWAY)は今回主催のため欠席であるが、福本選手(ACTY)、全日本の京都で体調を崩し心配された永田選手(DESIRE)も元気にエントリー、首藤選手(RC大分)も今年は、参加が少ないが、出れば優勝しているだけに、ここで勝ってポイントを有利にしたいところ。1本目、首藤選手がいきなり、1分53秒台のタイムを出す。永田選手は、1分59秒台、福本選手は2分00秒台といかに首藤選手が速かったかがわかる。福本選手にいたっては、1本目終了時にすでにあきらめていた。

2本目に入ると首藤選手は、不覚にもタイムを落としてしまった!。“余裕をかました”のか、何らかのトラブルがあったのかは定かでないが、現在走行している永田選手にとっては、タイムのことは耳に入っていない。セッティングの決まってきたストーリアで激走する永田選手であるが、1秒届かず。最終ゼッケンの福本選手は、「娘のバスケの試合が気になる。」とかで今一集中できず、平凡なタイムに終わった。今回首藤選手が勝ったわけで、ポイント争いの方も残り2戦が面白くなってきた。
−−− 上位入賞者(SA2) −−−
1位:首藤 英明(RC大分) 1分53秒69
2位:永田 誠 (DESIRE)1分54秒79
3位:福本 浩人(ACTY) 1分57秒98


■N3クラス
シリーズリーダーでほぼチャンピオンが握中にある今福選手(CRMC)、その他シリーズ上位につける岸山選手(MAO)も馬場選手(EMZ)もエントリーしている。また今福選手と同じ鷹マスクのGDBを駆る宮崎選手(FMSC)エントリーしてきており、ランサー勢が多いこのクラスが新鮮に感じた。1本目、さすがと言うべきか、やはりというべきか今福選手が、1分50秒台を出しトップ、次に岸山選手、馬場選手と続くが、その差は100分ノ3秒。2番手争いの方が面白くなってきた。

そして2本目、出走は馬場選手から、約2秒タイムを縮める1分48秒67でゴール。もちろんトップタイムだ。今シーズンまだ勝ちがない馬場選手にとって念願がかないそうと思った瞬間、岸山選手がゴール。アナウンスは馬場選手と同秒である……、残念100分の4秒差で岸山選手が上回った。そして最終ゼッケンの今福選手、1本目よりも絞まった路面に手こずったのか、岸山選手、馬場選手の後塵を浴びる結果となってしまった。
−−− 上位入賞者(N3) −−−
1位:岸山 信之(T-MAO) 1分48秒63
2位:馬場 一裕(EMZ) 1分48秒67
3位:今福 和彦(CRMC) 1分49秒93


■SA2クラス
激戦区のSA2クラスである。6戦までの得点の集計では1位が3名おり、村上選手(BIGWAY)、濱口選手(BATTLER)、山倉選手(T-MAO)である。今回、村上選手が主催のため濱口選手、山倉選手が有利であるが、いつものごとく三浦選手(メープル)が遠征してきており、また全日本がメインになってしまった小山選手(RASCAL)もエントリーしており、シリーズをかき乱すことが予想された。1本目トップタイムをマークしたのは、三浦選手であり、次にこのところ名前が出ることのなかった児玉選手(R10N)がつける。3位は小山選手だ。この3選手のタイムはすべて同秒であり、レベルの高さがうかがえる。

そして2本目、1本目は大事をとってウエットタイヤでアタックしていた選手も、ドライ用に履き換えていた。まずは全日本ドライバーなのに九州ではポイントの関係でシードされない小山選手から。紫のカラーは熱を吸収して暑そうであるが、1秒縮め1分49秒台でゴール。次の出走の三浦選手も同じく、1分49秒台でゴール。そして最終ゼッケンの山倉選手も1分49秒台でゴール。正式結果では、山倉−小山−三浦の順となった。全日本にも参戦するメンバーが上位を占め、質の高い争いが繰り広げられたわけだが、百戦錬磨の山倉選手に軍配が上がった。
−−− 上位入賞者(SA2) −−−
1位:山倉 英彰(T-MAO) 1分49秒30
2位:小山 茂樹(RASCAL)1分49秒41
3位:三浦 禎雄(メープル) 1分49秒85


■SC3クラス
橋本選手(BIGWAY)が今回主催のため、出走できないが、現在ポイントリーダーの松藤選手(SRC-Y)、若手ながら改造車を駆る浜田選手(BATTLER)、上原選手(RASCAL)などツワモノぞろいのSC3クラスである。松藤選手有利には間違いないが、シリーズポイントよりも、試合都度の走りにこだわる松藤選手の走りに期待がかかるところ。1本目、まずは浜田選手から、赤を基調としたカラーは、埃が舞うコースの中でもはっきりと車影を追うことができる。1分50秒台でゴール。つづく上原選手は、1分51秒台、1本目からかなり気合の入った走りをみせている。そして最終ゼッケンの松藤選手、どうしたことか途中で戻ってきてしまった。でも表情は明るい。深刻な問題ではなさそうだ。

2本目が始まった。浜田選手は、赤を基調とした躍動感あふれるカラーリングにふさわしいアグレッシブな走りをみせる。タイムは1分48秒05で1本目より2秒短縮した。つづく上原選手、こちらも浜田選手に負けずアグレッシブな走りを見せるが、タイムは1分49秒台であった。となると気になるのが最終ゼッケンの松藤選手である。松藤選手の成績次第では、今期初勝利をモノにできる浜田選手であるが、その松藤選手は1本目のポカを払拭するような勢いで各コーナーを走る抜ける、タイムはなんとぶっちぎりの1分46秒台で勝利をモノにした。
−−− 上位入賞者(SC3) −−−
1位:松藤 基美(SRC-Y) 1分46秒99
2位:浜田 隆行(BATTLER) 1分48秒05
3位:上原 吉就(RASCAL) 1分49秒72


■Dクラス
私はダートラを知って既に20年以上になるが当時の改造車、とりわけDクラスにおいては、解体屋のスペシャルマシンと思える車が多かったように感じる。軽い車体に、載せられそうな大きなエンジンという組み合わせで、外から見ても切った、貼ったという感じの車が多かった。Dクラスがスペシャルマシンと化していったのは、田嶋選手のチョロQの時期からだと思う。その後キャロッセ対モンスターの戦いになり、「修理工場を経営する傍ら暇を見て作りました」というレベルの改造車とは別次元の戦いとなり、プライベーターがおいそれと参加できないレベルになってしまった。

もちろんこのようなバトルがダートラのレベルの進化に繋がっていると思われるのであるが……。最近では、ナンバー付だったけど、車検を落としたのでとか、もともとストリートのアンちゃんが乗っていて、ナンバー付に合致させるのは大変なので……という市販車ベースが多くなってきたように感じる。もちろん20年前とは比較にならないくらいデバイスが進化しているので、素(す)でもそれなりのシロモノであることは事実であるが……。

というわけで本来の改造車の目的の回帰に近づきつつあると感じるDクラスであるが、今回も常連が名を連ねている。シリーズリーダーの佃選手は今回主催であるため、欠席であるが、元祖改造車使いの江川選手(RASCAL)、今年よりGDAベースの改造車に乗り換えた五味選手(TGF)、常連の岩下選手(RASCAL)などが顔を揃えた。ゼッケン順では、まず五味選手が出走、甲高いボクサーサウンドを奏で走っている。車のパワーも相当出ているらしく、GDAをねじ伏せて走っている。ゴール前では、自ら島をフロントバンパーで押しのけようとするパフォーマンスを演じてしまった。次の出走は岩下選手である。こちらもCT9Aベースの改造車である。同じCT9AでもN3やSC3に比べ車の動きが軽い。五味選手より、4秒速い1分48秒台でゴールした。そしてラストゼッケンに江川選手。見た目はコルトだが、デバイスはCT9Aである。以前PD誌で取り上げられていたが、本来のDクラスの創りの主旨に沿って作成された車である。若干腰高な印象であるが、岩下選手の1秒落ちでゴールした。

2本目、五味選手は1本目のおいたが祟ったのか、今一リズムに乗れず、1分50秒台でゴール、岩下選手は、微妙にタイムアップを果たし何とかトップをキープした。最終ゼッケンの江川選手の走りが注目される、キビキビとした挙動でコーナーを駆け抜ける改造車特有の動きでゴールを目指す。一見特に失敗したようには感じなかったが、岩下選手には届かなかった。
−−− 上位入賞者(D) −−−
1位:岩下 幸広(RASCAL)1分48秒03
2位:江川 博 (RASCAL)1分48秒19
3位:五味 直樹(TGF) 1分50秒25