自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

自動車の基礎知識(19)排気バルブからマフラーへの流れ

出典:「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」

排出ガスは、排気ポートを通り抜けた後、エキゾーストマニホールド(エキマニ)に導かれ、エキゾーストパイプでまとめられますが、ここではスムーズに排気するための工夫がされています。

エキマニの集合部分では、各シリンダーのポートから出てきた排出ガスの排出タイミングの近いもの同士が干渉する場合があります(排気干渉)。例えば4気筒エンジンでスパークプラグの点火順序1→3→4→2となる場合、1と3、4と2では排気タイミングが近くなり都合がよくありません。そこで1と4、2と3を組み合わせれば排気干渉が避けられます。

また、お互いの排気の流れを妨げないようにエキマニの長さを適当なものにすることでも排気干渉を避けるようにします。

インテークマニホールドは基本的には冷たい空気の通り道ですが、エキマニは高温ガスの通り道なので、材質は耐熱性の高い鋳鉄で作られるのが一般的です。中にはステンレスで軽量に作られるものもあります。

出典:「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」

マフラーは排ガスの流れの下流に設置され、温度と圧力を下げ、排気音を小さくする働きをしています。マフラーなしでそのまま排気してしまうと、高温、高圧の排ガスが一気に大気に放出されることから大きな音を発します。

メインマフラーはその形から「タイコ」」と呼ばれることもあります。このタイコは膨張室となっていて、真っ直ぐなパイプに多くの穴を開け、消音材としてグラスウールなどを使ったストレートタイプと、内部を迷路のようにして徐々に消音するタイプとがあります。

ストレートタイプのマフラーは消音効果が小さい半面、排気の抜けが良く、迷路タイプのファフラーは消音効果が大きい半面、排気の抜けがいまいちという傾向です。

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