自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

自動車の基礎知識(13)クランクシャフトとカムシャフトの連携

出典:「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」

吸排気バルブはカムシャフトが回転することによって動きますが、カムシャフトは単独で回転できるわけではありません。その力も燃焼室で生まれた燃焼圧力がもとになっているからです。

ピストンはコンロッドを介してクランクシャフトを回転させていることは解説しました。

yoiijima.hatenablog.com

それと同時にタイミングベルトやタイミングチェーンを通してカムシャフトも回転させています。つまり一旦エンジンが動き始めるとエンジンの各部が連携して動き始めるとも言えるのです。

もう少し詳しく見ていきます。4サイクルエンジンは吸入と圧縮、燃焼と排気がセットになって2往復(2回転)することになります。一方、吸排気バルブは圧縮と燃焼のときは閉じたままでいいので、カムシャフトは1回転すればいいことになります。

そのためクランクシャフトから取り出された回転は、カムシャフト側のギヤによって減速されて、クランクシャフト2回転につき1回転になります。

出典:「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」

クランクシャフトとカムシャフトを連動させちるのが、DOHC、SOHCの場合はタイミングベルトやタイミングチェーンです。チェーンの方は丈夫ですが金属製のために騒音が大きくなりがちです。その点、ベルトの方が静かで耐久性もそこそこあるために主流の時代が長く続きました。ただ、現在ではまたチェーンに回帰している方向です。

このタイミングベルトやタイミングチェーンがクランクシャフト側のギヤとカムシャフト側のギヤをつなげることによって、カムシャフトを回転させ、それが吸排気バルブを開閉させているわけでです。

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