自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

自動車の基礎知識(4)おおまかにエンジンを構成するパーツ

出典:「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」

エンジンはシリンダーヘッド、シリンダーブロック、クランクケースなどで覆われています。これはエンジンの外骨格となり外部から見ることができます。

シリンダーヘッド内にある主なパーツは、吸気バルブ、排気バルブ、バルブスプリング、カムシャフトなどです。シリンダーブロック内にはピストンが往復するシリンダーが形成される他、ピストン、コンロッドなどが組み込まれます。シリンダーブロックの下部にはクランクケースと呼ばれる部品がありその中にはクランクシャフトが収まっています。

おおまかに個々のパーツを見ていくと、吸気バルブは混合気を燃焼室に吸い込む際に開き、圧縮、燃焼の際には閉まる役割があります。排気バルブは燃焼が終わったガスをエンジン外に排出する際に開く役割があります。これも圧縮、燃焼のときには閉まります。

この吸排気バルブを開閉するためのパーツがカムシャフトです。これは棒状の金属にカム(一部に突起をもたせた回転部)が作られたもので、それが回転してバルブを開閉させます。バルブスプリングは吸排気バルブに閉じ方向の力を与えて、燃焼室のバルブシートに圧着させる役割を果たしています

出典:「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」

大きな燃焼圧力を受けるエンジンの要とも言えるのがピストンです。これは、強度が必要なのはもちろんですが、エンジンレスポンスをよくするために軽さも求められます。現在はアルミ合金の鋳造製のものが多く、高性能エンジンになると鍛造製が用いられることもあります。

コンロッドはピストンとクランクシャフトを接続するパーツです。ピストンの力をもろに受けながら、上下だけでなく左右にも揺り動かされるので、負担の大きなパーツです。クロームモリブデン鋼や炭素鋼が用いられます。

ピストンの往復運動を回転運動として取り出すのがクランクシャフトです。これはシリンダーブロックの下部のクランクケース内にあります。これは高速回転するので、強度や耐久性が要求されます。素材は炭素鋼や耐摩耗性に優れた球状黒鉛鋳鉄などです。これらが主として他にも多くの付属的パーツが総合的に動くことによってエンジンの性能が充分に発揮されます。

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