2018年4月に出版したのが「きちんと知りたい!自動車サスペンションの基礎知識」です。前作の「メンテとチューニング」が2016年10月なので、ちょっと間が空いてしまいました。その原因は、この頃には「ホリデーオート」の編集部員になっていて時間が取れなかったからです。正社員ではなく業務委託だったので、単行本の仕事を受けることは可能でしたが、実際に両立はなかなか難しいものがありました。
この本の打ち合わせの際、私は、「書くんだったら、自動車全般のメカニズムがいい」という希望はあったのですが、同シリーズに既存書があるので、「部分」を書くのが前提でした。その中でももっとも認知されやすく、また私もある程度知識に明るいということでサスペンションがテーマになりました。
ただ「サスペンション」というくくりだけにしてしまうと、何気に寂しい…というか、サスペンションを活かすにはボディの話も必要になってきますし、ステアリング系、ブレーキ系、駆動系とシャシーすべてが関わってきます。
そういう意味では「自動車エンジン以外の基礎知識」という内容になったかもしれません。「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」と合わせて読んでいただければ、クルマの構造の大枠がわかる感じです。
サスペンションというと、どうしてもエンジンの次のパーツというイメージがありますが、ダブルウイッシュボーンだとかマクファーソンストラットだとかマルチリンクだとか5リンクリジッドだと、それぞれをみていくと「先人がいろいろ工夫を重ねているんだな」とちょっと感慨深いものがあります。
ダブルウイッシュボーンにしてもアームの長さや角度を工夫することによって、接地性が変わってきますし、トー、キャンバー、キャスターといったアライメントによっても違ってきます。ストラット式は対地キャンバーという面では理想の動きができませんが、ストロークが長く取れてラリーなど不整地を走るときには有利です。
こんなことを書き始めるときりが無くなってしまうので、気になるかたはお手にとっていただけると幸いです。
飯嶋洋治名義の単著は今までご紹介した12冊(1冊は編集委員)となります。最新刊からも6年たってしまったので、そろそろ書きたいとは思うのですが、サラリーマンという現状、しばらく先になるかもしれませんが、日刊工業新聞社の本はまだまだ?新刊で買えますどうぞよろしくお願いいたします。