自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

自分の本特集(5)「ランサーエボリューションI~X(グランプリ出版)」

書名に「~」が付く本ってあんまりないような気がします…

前著「自転車競技入門」の約半年後、2009年3月に出版したのが「ランサーエボリューションI~X」です。というと、ライターとしての仕事としては非常に順調のようにも見えますが、派遣社員やアルバイトの掛け持ちをしながらのライター稼業なので、かなりきつい日々を過ごしていました。確か、この本は飯田橋で古文書?のスキャンのアルバイトをしながら、その合間(というには時間を多く割いていましたが…)に書いていたと思います。愚痴はこのくらいで…。

この本は、もともとラリーアートの社長が書く予定だったようです。ただ、御本人がお忙しいということで、私に話が回ってきました。私としてはランサーエボリューションモータースポーツ専門誌をやっていた頃の登場時から見聞きしていましたし、「エボクラブ」というファンサイトでスーパー耐久のレポートを書いたり、ダートラ、ラリーの記事を書いていたので、仕事として受けやすかった面はあります。

私が書くのも言ってみれば三菱側の都合という面もあるので、サポート体制?が整っていたというのは心強かったです。ガチでWRCでのランサーエボリューションの開発に関わっていた方からインタビューをしたのですが、例えば私が、「ランエボの操縦性は?」みたいなあいまいな質問をすると「操縦性の定義とはなにか?」みたいな返しをされて、言葉に詰まったというようなこともありました。まあ、エンジニアにとっては当然のことでしょう。

一方で当時広報部に当時在籍しており、かつては篠塚建次郎さんのナビゲーターをつとめていた方の、「WRCの1000湖で3位に入ったランタボは空燃比がリッチでリッター400mしか走らなかった」とか、「スタリオンはラリー車としてはサスペンションストロークが…」とかぶっちゃけ話をしてくれたのは、マメ知識的で私自身の勉強にもなりました。

当時は、三菱自体も2004年の「リコール隠し」の影響を引きずっており、WRCを中心としたモータースポーツ活動も2005年で撤退していましたが、そんな中で協力をしていただけたのはありがたかったですし、その活動を総括した本としてはいい出来だったのかな?と自負しています。ぎりぎりエボXまで入れられたという面でもタイミングは良かったです。