自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

自分の本特集(10)「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社) 」


www.youtube.com

10冊目の著書になるのが日刊工業新聞社から出した「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」でした。2015年10のことです。この本の話を持ってきてくれ、編集をしてくれたのは、私が勤めた最初の出版社である山海堂の先輩編集者でした。

山海堂は理工系の出版社としては有名でしたし、モータースポーツ誌として、オートテクニックやグランプリ・エクスプレスを出版していました。倒産が惜しまれるところですが、それも時代の流れでしょう。

で、この「きちんと知りたい!」シリーズですが、日刊工業新聞社としては自動車関連ははじめてで、先に「きちんと知りたい!自動車メカニズムの基礎知識」という本を橋田拓也さんが書いていました。橋田さんは、自動車系の著者としては優秀な方で私も大分勉強させていただいています。実務経験もあり、学校で教鞭を取っている方なので文章も非常にわかりやすいものです。

そんなこともあり私は「こういう本は橋田さんに引き続き書いてもらった方がベターなんじゃないでしょうかね?」と言うと、「それも考えたんだけど、橋田さんがちょっと体調が悪くて」という話。重篤な状況でもないということだし、橋田さんには私も大分お世話になったことから、なかばピンチヒッター的に引き受けた感じもありました。

実際に書き始めてみると、私の頭の中のエンジンの知識というのが体系立っていなくて、専門出版社である山海堂やグランプリ出版の本で確認しつつ書き進めることになりました。山海堂の本はメーカーの技術者やアカデミア、グランプリ出版の本も林義正さん、藤沢公男さん、長嶋達人さんなどなど錚々たる著者がいるので、改めて勉強し直したというのが正直なところです。

この本は増刷を繰り返しているということでも私にとって重要な本になりました。2024年現在で10刷だと思います。最近はEV本に押されてちょっと元気がない風もありますが、個人的にはエンジンは短期的にはなくならないと思っています。ガソリンとか電気とか動力源をひとつにしてしまうというのは、いざというときに一番危険なことだとも考えます。ということで「自動車エンジン」のほうもどうぞよろしくお願い致します。