自動車ライター飯嶋洋治のブログ

編集者、ライターです。「モータースポーツ入門」、「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(ともにグランプリ出版)、「スバル・サンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」(三樹書房)、「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」(日刊工業新聞社)など著書多数。たまにサーキットを走ります。

ちょっとだけ乗ったクルマ(1)スズキ・セルボ

所有したとまでは言えないが、1週間から1カ月くらい家にあったクルマが何台かある。その中で印象に残っているものを挙げていこう。一応自分のクルマだったセリカLBと、その後に乗るセリカ・カムリXTの間をつなぐクルマが今回のセルボだ。 「このクルマしばら…

父の日には早いですが、父のハイラックス

実家が自動車鈑金塗装業をやっていたおかげで、子供の頃からわりといろいろなクルマに触れることができた。私の好み…というか子供の多くはそうだろうが、強く記憶に残っているのはスポーツカーやスポーティカーだ。だが、実際に父が仕事に使っていたのはバン…

シバタイヤTW180とアドバンA052の比較

今年の前半はけっこう筑波サーキットを走っていた。目標は1分09秒台に入れることだったが、遠く叶わず…。結局、アドバンA052での1分10秒49止まり。その他で使ったタイヤはダンロップディレッツアZ3とシバタイヤTW(トレッドウェア)180だった。 シバタイヤは…

出力とトルクの微妙な関係

エンジンの出力とトルクの基本と、スペックに関する私の感想?のようなものをまとめてみました。 エンジンのスペックを見るときに出力派、トルク派?というような感じで分かれることがあるようです。ただ、クルマというのはエンジンだけでなく駆動系+タイヤ…

ユーロチャレンジカップに向けて318isで筑波サーキットを走る【その2】

※非常に長いインターバルとなってしまいました。ごめんなさい。 【その2】にして最終回となってしまうが、とりあえずけじめとして。 4月29日に筑波サーキットで開催されたユーロチャレンジカップは、それまでのテストを無にする雨…。もちろんレースとなれば…

ユーロチャレンジカップに向けて318isで筑波サーキットを走る【その1】

4月29日に筑波サーキットで行われるユーロチャレンジカップというレースに出場する。ということで4月1日にテストに行ってきた。最近の筑波の混雑を見ていて、この日もそれなりに覚悟はしていたのだが、走行台数は数台という専有に近い状態だった。おそらく年…

スポーツカーの定番がMRなのにRRも作り続けるポルシェ

スポーツカーはMR、百歩譲って?FRというイメージだが、かたくなにRRを採用し続けているメーカーにポルシェがある。1940年代末にRRのスポーツカー、356を発売して以来RRを売りものにしてきたと言って良いだろう。もっとも、356のプロトタイプはスポーツカー…

ボディ剛性を上げるにも、メリットとデメリットがある。

クルマはシャシーが大事だ。モノコックボディを使用する現代ではボディもほぼ同じ意味を持つと言っていいだろう。「ボディ剛性を上げる」のはモータースポーツでもよく行われるチューニングだ。ごく簡単なものとしては、サスペンションの左右のストラットア…

サスペンションをとくに意識させないのが今のクルマ?

現在、なんとかクルマのことについて記事を書いているが、本や雑誌で得た表面的な知識があったものの体験が伴わなかった時期がある。クルマにとってサスペンションは大事なものと思っていても、あまり興味の対象にはならなかった。やはりパワーの方に目が行…

メリットがどこにあるのか分かりづらい?DOHCとSOHCの差

あるメーカーのラリーチームの関係者に「ターボをつければSOHCエンジンで十分だと思っていた」という趣旨の話を聞いたことがある。そのチームは、1980年代初頭にSOHCエンジンにターボチャージャーを装着したFR車でグループ4(当時の世界ラリー選手権で一番速…

ざっくり解説?戦前と戦後まもなくの日本のモータースポーツ

戦前のモータースポーツは、1922年の東京・洲崎で行われた「第1回日本自動車レース」が始まりとされている。1925年の「第6回日本自動車レース」では戦後、本田技研を設立する本田宗一郎が「カーチス号」にメカとして同乗し優勝している。 1936年には神奈川県…

なんとなく欧州車。昭和の終わりに編集アルバイトでジェミニZZ/Rを買う

アルバイトではあったがモータースポーツ専門誌の編集部員となった私は、「それなりのクルマ」を持ちたいと思うようになった。当時はまだAE86レビン/トレノの最終後期型がぎりぎりで買える時代だった。 しかし、安いアルバイト料ではまったく手が出ない。ダ…

18歳の春とともにやってきたランサーセレステ

18歳になり、昭和でもっとも意地悪な職業とされた教官と1ヶ月ほどつきあって運転免許証を取った。高校を卒業した後の、昭和59年の5月のことだ。本来なら勉強に身を入れなければならない大学浪人の身で免許証を「取らせてくれた」のは父が一人で切り盛りする…

「きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識」執筆顛末記

ちょっとあざといが、自分の本の宣伝を。 2005年から単行本を書く機会を与えられて、これまで12冊書いてきた。同業者と比べてもしかたないが、この手の本としては割と多い方ではないかと思う。ライターとして充実しているときもあれば、仕事が減ってアルバイ…

BMW318isのステアリング位置とドライビングポジションに関する一考察

2020年12月にBMW M3(E30)から318is(E36)に乗り換えたのだが、両車に通じる問題点としてステアリング位置の高さがある。M3の場合はチルトさえ付いておらず固定のまま。私の身長は171cmで日本人では平均的だとは思うが、やはり(昔の)BMWは欧米人の体格に…

BMW318is+シバタイヤで筑波サーキットを走る

3月3日にBMW318isで、筑波サーキットに行ってきた。装着したのはシバタイヤのTW(トレッドウェア)180。サイズは235/40R17だ。前回の筑波での走行時はエア圧1.7からはじめて、温間2.0あたりで走行してみたのだが、コーナーでは腰砕け感があっていまいち。ブ…

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クルマのLSDの種類【2】ビスカス式LSDは回転差によって差動制限する。

以前単行本の編集者と打ち合わせをしたときに、「駆動系の話で一冊作りませんか?」と提案したことがある。ところが担当氏はあまり浮かない表情を見せた。「エンジンの本は比較的売れるんですけど、駆動系は今まで売れた例がないんですよ」という。個人的に…

クルマのLSDの種類【1】2ウェイ、1.5ウェイ、1ウェイの違いと個人的失敗談

クラッチプレートの摩擦を、プレッシャーリングが受けたトルクで発生するのが多板(クラッチ)式LSDだが、プレッシャーリングの仕様によって効かせかたが違ってくる。2ウェイ、1.5ウェイ、1ウェイと呼ばれたりするが、要はアクセルオン/オフで、どう差動制限…

クルマのLSDに関する誤った情報とホントのところ

このところ、クルマ関係のウェブサイトが多くなった。なり過ぎたと言ってもいいだろう。ただ個々の記事を見ている誤った情報も多い。もともと紙媒体を持っている出版社が、その電子版として運営しているサイトでも、かなりの割合で間違えた情報が掲載されて…

BMW X2は若返りを目指す

かつてほどではないにしろ、日本人にとって外国車、とくに欧州車というのは功成り名を遂げたある程度の年配の人物が乗る…というようなイメージがつきまとう。BMWはモータースポーツでの活躍など、必ずしもラグジュアリー路線ではないのだが、「欧州の高級車…

走り屋仕様のミニ?

MINIのラインアップで最も過激なグレードの「ジョン・クーパー・ワークス」がマイナーチェンジを受けた。MINIのロゴが新デザインとなり、LEDデイライト下端がつながる楕円状になるなど、エクステリアも小変更されているが、最大の変更点はトランスミッション…

わかりやすいかな?「きちんと知りたい!自動車サスペンションの基礎知識(日刊工業新聞社)」発売です。

「きちんと知りたい!自動車サスペンションの基礎知識」が日刊工業新聞社より4月28日に発売となりました。良くも悪くもアマゾンでの売れ行きが指標となるわけですが、今回は予約の段階からわりといい動きを見せていて、「私の本も結構売れるようになったな………

RJCの理事会に出席しました。

本日は、私が所属するRJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)の月に一度の理事会の日でした。年末のRJCカーオブザイヤーを選ぶまでにいろいろやることがあるのですが、それまでに内部の体制などをきちんとしなければならないこともあり、議論は多岐にわ…

BMW5シリーズ ツーリングの試乗に行ってきました。

6月28日に、BMW グループ東京ベイで、5シリーズツーリングなどの試乗をしてきました。普段、そんなに多くの荷物を積んでドライブするという機会がないために、ワゴンに興味が少ない方だと思うのですが、これはこれでなかなかスタイリッシュなクルマです。使…

LEXUS、新型LS日本披露会に行ってきました。

レクサスの新型LSの日本披露会に行ってきました。発売は今秋で、今回は発表会ではありません。何がトピックか? というと「予防安全技術」です。これらの技術一式をパッケージングして「レクサス セーフティ システム+A」としたことが披露会のメインのプレゼ…

NISSAN GT-R 2017モデル試乗

昨年の11月のことになるが、ノートe-POWERの試乗会があった当日、その足で横浜の日産本社で「NISSAN GT-R 2017モデル」を借り出した。もっとも私名義で借りたのではなく、大先輩である正岡貞雄(ベストカー初代総編集長)さんが借りるのをこれ幸いと、相乗り…

「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識」発売です。

10月21日(金)に、ちょうと一年ぶりで日刊工業新聞の「きちんと知りたい!シリーズ」の私にとっての第二弾「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識」を出すことができました。このシリーズは、2013年に橋田卓也さんが「きちんと知りたい…

ホンダの「SPORT HYBRID SH-AWD」。プレリュードからレジェンド、そしてNSXの系譜

RJCブリテン(年次報告書)にホンダレジェンドの3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」についての解説を書いた。 http://www.npo-rjc.jp/bulletin/RJC_bulletin_25.pdf 今年から新入会員にはカーオブザイヤーの投票権がないとかで、私はおお…

自著によせて。サンバー本「スバルサンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀(三樹書房)」

4月に三樹書房から発売されたスバル・サンバーの本、「スバルサンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀」が好調な販売を続けています。アマゾンでは5月に車・バイクで1位になったことを含め、今でもそれなりに動きがあるようです。もっとも、今月に…